ケルトやアイルランドに関する知識は疎いですが、ちゃんと知っているからこそ、独自にアレンジを加えていても、問題ないのだと思います。戦闘はなくとも情景、歴史的背景を意識していて書いていることも良い所です。やはり創作物全般は自分が知っていることを活かせると強みになると思います。鳥位名久礼さんは史実を元にした創作物を好んでいそうなので是非今後とも自身の強みを活かして創作していただければ幸いです。
私はケルトには酷く疎いから、ネットで検索しながら少しずつ読み進めていきましたが、あとがきには大変助かる注釈があり、作品を振り返りながら眺めていた。 作品の内容に関して、私は上手く伝える術をもたないから、描写について書かせていただきたい。とにかく、場面の最初で、豊富な語彙でその広大を描くのが秀逸だった。改行も多く、読みやすい印象もあった。 そして、読みながらふと歌を口ずさんでしまった。 企画に参加いただいたことを感謝したい。
ケルト民話をベースにした、幻想ファンタジー小説。 竪琴引きの少年は、聖堂に所属していた。 そこに現れた歴史学者に導かれ、少年は、もはや滅んだとされていた民の息づく場所へと向かう。 少年はそこで一人の少女と出会い、心を通わせていく。 精霊、エルフ、祝祭の夜、そしてその調べ。かつての神。 しかし、安寧は長く続かなかった。世界が不安定になった時、少女の出生の秘密が明かされ、世界を守る一つの鍵がつまびらかになる。 果たして、世界は? 少女の持っていた出生に関する鍵とは? 是非、御一読ください。