紀行文のようなもの

みなはら

第1話 TRPG日記 -ろーぷれ日記-より、『番外4』

TRPGろーぷれ日記 きみのいるセカイ


○月○日、番外4 シナリオのネタを探そう おでかけ1

美術館に行こう


ブリューゲル展終わってた(汗)

『バベルの塔』〜っ(心の叫び)

はぁ〜。

今度のセッションのクライマックス、どうしよう?(汗)

なんか適当な塔のサンプル見たいけど…、

東京だから、スカイツリー…は無理だな。

いきなりは上がれない…。


穴場で東京タワーか?

ほんとに?



とりあえず、どこ行くかなぁ?

目当てはあれだったのに、代わりになに見るかな?


「動物園、パンダ!!」

え!?

まだ赤ちゃんパンダ公開してないよね、座敷わらしさん。

いいの?


とりあえず上野来たら、上野東照宮参拝しない?



今日は地方から、わざわざ上野までやってきている。

座敷わらしとデート?かな?


住んでる街の商店街で、いっしょに買い物したことはあるが、こんなに遠出は初めてだ。


座敷わらしは、一人ではあまり自分の世界、部屋から離れたところへは移動しない。力が衰えるらしい。


まあ、町内なら問題なさそうで、買い出しくらいなら商店街へ鼻歌歌いながらよく行くし、郊外のホームセンターにも、たまに自転車で出かける(笑)

↑もちろんゴスロリじゃないよ。ホームセンターや近所の『しもむら』で買った普段着だ(笑)


座敷わらしは『ウニクロ』より『しもむら』好き。

『シモムリアン』だそうだ(笑)

どこの星の人ですか?あなた、座敷わらしですよね(笑)


…えーと、話を戻して、

まあ、座敷わらしの場合、一人で近所へ出かけるのは不都合ないようだが、旅行みたいな遠出はいささか事情が異なるようだ。


一人で自らの世界から離れすぎることは難しいが、

その世界の主たる、部屋の契約者で世帯主の自分となら出かけることも出来るし、自分を起点としてなら、ある程度は離れても大丈夫らしい。


ケータイのアンテナみたいなものか?

何か不本意。


「じゃあアンテナさん行きましょうか(笑)」アンテナじゃねーし!!


だから、そっちじゃないって!!案内板見たでしょ、こっち。



上野東照宮の神使さんて誰だっけ?

「狛犬くんです」by座敷わらし(笑)


鳩胸みたいな立派な胸板の狛犬さんに会釈して境内へ向かう。←後でお話しようかと思うけど、まずは参拝(笑)


左右に灯籠が並ぶ参道を歩き始めようか…と?

向かって右にいるのは写真取ってる外国人の若いカップルだが、左側は…かずまだよね。猫又と…!?


「なんで、かずまがいるんですかぁ?しかも猫ちゃんと?

デート?♥」

え〜、違うんでないかな?


「いやぁ…、

浅草からこっちに来たところなんだよ。

猫又が都心のあたりのタヌキの神獣から情報集めしてて、

ちょっとここのタヌキの神使さんにね、話を聞きに…」疲れた顔のかずま。


「このあとは秋葉原の柳森神社のタヌキにも話を聞きに行くつもりだよ。」


「それからアキバのスポットをいろいろと散策♪」良い笑顔の猫又(笑)


「こらっ、目的が違うだろ!!」

「やだ〜!!

せっかく東京、それもアキバに行くのに〜っ(泣)

メイドにフィギュアに同人誌〜!!」

「メイドはあんただろうが!!」

「やだぁ〜っ、アイドル劇場行って、ケバブ食べて、ソフトあさって帰るんだぁ!!」

「ちょっと落ち着けって猫又。

探偵の依頼だろっ?

仕事しなさい仕事!!」


ふたりの掛け合いを聞き流しながら、ちょっと考える。


狸か…。浅草はこのあたりだと浅草寺か?

雷門や仲見世は行ったけど、狸を祀っているとこはちょっと記憶から出てこない。行ってないかな?花やしきも結局行ってないし…。


「猫ちゃん、秋葉原デート♥」

いや、座敷わらしさん違うから(汗)


それと秋葉原の柳森神社か、ひさびさに聞いた。

しばらく行ってないな。

前世の時には、秋葉原に買い物に来たときはたまに寄ってたけど。


狛狸さんがいたり、お稲荷さんがあったり。狐と狸が一緒にいるなんて、ちょっと変わっていると思っていたんだよね。

転生したいまなら、会って話せるかな?(笑)


平日は時間つぶしている営業マンみたいなのが境内で煙草吸ってたりしてたんだよね。

大丈夫かな?って思ってたんだけど…。


自分はまだ続いている猫又とかずまのやりとりを聞き流しながら、そんなことを考えていた。



それで結局、自分らは猫又たちにはつき合わず、後で合流することになった。


なんか、渋谷の『ハチ公さん』にも話を聞くとかで?時間を決めて渋谷で待ち合わせとなる。


座敷わらしと話し合って、午前中は上野のアンチンボルド展を見ることに…。

上野のパンダは次回かならずと、約束させられる(苦笑)



野菜怪人(笑)


まずはニュースで取材していた野菜で似顔絵を作るプログラムを試しに行くことになった。


人が結構並んでいる。

機械は顔の輪郭や表情を認識するプログラムを応用して作ったものなのだろうけれども、

座敷わらしは認識出来るのだろうか?


まあ、最近の機械は頭が良いから、言うことを聞かせることは容易いだろう。

昔ながらの単一機能のものだと、融通が効かないので、ちょっと面倒だけれど(笑)


撮影成功(笑)

座敷わらしと自分の野菜姿を記念撮影。できませんでした。無料ロッカーにスマホ忘れた(笑)


…まぁいいか。本物の名画鑑賞に突入。


野菜の似顔絵?も面白かったが、

やはり実際の絵は迫力が違う。


似顔絵プログラムも頑張ってはいるけれど、込められた思いや意志が、やはり軽いか?

本物は目が合いそうな気がする。

というか、居るよね!!

こちらと目線を合わせようとしてる感じがする(汗)


さすが名画。込められている思いがハンパない。



そして昼食後に渋谷へと移動(笑)

休日の山手線は避けてメトロに乗る。

渋谷、ハチ公前で待ち合わせ。まずはハチ公さんに挨拶♪


ハチ公さんとツーショットしてる娘がいる、おのぼりさんか?(笑)


一緒に撮る?

座敷わらしにふるふるされる。

じゃ、覚えにハチ公さんとハチ公マンホールを一枚づつ撮影♪



…かずま来ない。

連絡とったら返事が来た。新しい情報で他に向かうらしい。


少し考えて、なんかあるなら連絡くれるように話しておき、別行動を続けることにする。


渋谷へ来たついでに、選んだ目的地はDohgenzaka-mura。

今の展示はベルギー絵画展、奇相の系譜。


TVの天気予報でよく写す交差点を渡り、Ten-Nineビル方向へ。


Dohgenzaka-muraには自由に見学出来る、展示販売の画廊がいくつかあり、

目的の前に時間を取って、少し覗かせてもらう。

今は画廊で、絵画の他に立体物を飾っている。

絵とかいろいろ。ちょっと面白い♪


立体物の創作展示は、宇宙服みたいな多腕の像。

頭の小窓からは実物の頭骨らしきものが見える。


仏像を表現しているらしい。

鼻を模した蛇腹のパーツがついているのは『ガネーシャ神』か?

ああそうらしい…、タイトルが付いてる。体型は阿修羅像みたいにスリムだけれど。


創作意欲をそそられるなぁ。

名画みたいな凄みはないけど、力は感じる。

何だろう?似た印象の刺激を受けたことがあるな…。



ああそうだ!!ワンフェスの参加サークルブースだ。

『宇宙少年』?『未来少年』?

前世の記憶だ。

もうはっきり覚えいないが、『なんとか少年』というサークル名のブースだった気がする。


オリジナルの自作ランプを展示していたブースで見た、羽根のオブジェがついていたランプの印象と被るのか。あれは天使なんだろうけど(笑)


晴海のワンフェス、最後のゼネプロ主催の回か、海洋堂が引き継いだ初のワンフェスの時か?

まだ雑然としていたフリマのような、のみの市のような雰囲気があった頃のワンフェスだったな…。


少し懐かしい思い出。前世の仲間たち…、

彼らと行ったんだ。


ゲームやったり、飲んだりカラオケしたり。ゲームや模型、アニメ談義。恋愛相談や猥談もやったっけ(笑)


あいつら元気かな?

もう会えないし、こちらのこと覚えてないだろうけど…。



袖を引かれる…?

座敷わらしが怪訝そうな、ちょっと心配そうな眼で見つめている。


ああごめん。ちょっと考え事してた(苦笑)


こんな異星人、シナリオに出したら面白いよな。

顔が骨だと、ちょっと驚くだろうけど(笑)

SAN値下がるかな。



さあ〜て、前菜のあとは、午後のメインディッシュ♪



うん♪

すげー面白かった(拍手)


ヒエロニムスもアンチンボルドとおんなじで、込められている力、想いが強い。


そして図らずも見れたブリューゲル(感謝)

『バベル』は見れなかったけれど、『歩く魚』は見られた。


ヒエロニムスの『ラッパ吹き』みたいな生き物も、ブリューゲルの『歩く魚』も、あの絵の中で生きているみたいだ。

世界中の展示会で飾られながら旅をして、

見にくる人たちを向こう側から見てる。

そんな生活も楽しそうだな。


そしてマグリット。

前にも展示会で見たことあったけれど、

あれ、やはり『異界の門』だよね?使い方で界渡りの指標になると思う。


今みたいになってからは見てないけど、

前に見たことのあるマグリットの石や、白紙委任状の森なんかは、もしかしたら、もっとはっきりとした力を感じられる気がする。


それこそ、強く願いさえすれば、あの世界へ行けてしまいそうなくらい、境界が薄くなっていそうだ。



うーん、

エネルギーをビンビンもらった感じだ♪

創作意欲が湧いてくる。


特に今回の収穫は、

パナマレンコの『スコッチ・ギャンビット』だ。フロートの付いた飛行船か?

レトロ感あるデザインだけど、なんか斬新♪


あれ良いよね!!!

シナリオ作って、お話に出したいなあ♪


でも、あれ実現しないよなあ。

飛行船の浮力がありすぎると浮いちゃうし、浮力が低いと沈むし(笑)


カーブのときひっくり返るよね…。

なんか対策いるよね?

風の魔法?妖力で持ち上げるとか(笑)



午前中のアンチンボルドもそうだが、

ベルギー展の絵画も想いを込めた作品がちらほらとあった。


あやかし、つくも神みたいなものが生まれる前の卵みたいなのもあるし、

今日会った神使さんみたいに、作品に込められた想いの強さ、作品を見た人たちの想い、願いを受けて既に現界しているものもあった。いや、居た。


古い作品というのは、やはり信仰と同じに人の想いが集まり易いということだな。


理屈でなく、実体験として体験できたことは収穫だった。


座敷わらしは後半静かだったけど、疲れたかな?

強行軍だったから、ちょっと悪いことした。



帰りは渋谷から、帰還するローカル線へ乗り継ぐための駅まで山手線で向かう。


前世でさんざん乗ったから分かってはいたが、夕方の山手線なんか乗るもんじゃない(苦笑)

人混みに慣れていない座敷わらしとはぐれないよう、意識して彼女を近くへ引き寄せる。

セクハラとか痴漢で通報されたらという考えが一瞬よぎるが、

同年代同士なら大丈夫か(笑)



乗り換え駅まですし詰めに耐え、ほうほうの体でなんとか抜け出す。


帰ってからの夕食だと遅くなるため、お腹に軽く入れることにした。

乗り換え列車が来るまでの合間に、駅ホームの立ち食いそば屋に入る。

立ち食いのスツール (止まり木)にすわった時、座敷わらしは足が着かずにぶらぶらさせている(笑)


ひさしぶりの駅ソバ、なかなか美味しかった(笑)



座敷わらしさん無口だな。疲れた?


ちょっと頭を撫でると、

「…○○さん、私とデートしてくれるのは嬉しいんですけど、

あの娘誘わなくてよかったんですかぁ?」


「Dohgenzaka-muraのとき、あの子のこと考えてましたよね?

なんか悲しそうでした。」


いや、違うって。

「あの子のことじゃないよ。

捨ててきた昔のこと考えてただけ。」

そう言って、わしゃわしゃと座敷わらしの髪を撫でかき回す。


「本当ですかぁ?ごまかしてないです?」

うそじゃないよ。

そう言って笑ったら、やっと安心してくれたみたい(笑)



今回はいろいろあったけど、まあ収穫の多い日だった。

座敷わらしさん、お疲れさま。…ありがとう❤



後日、かずまと猫又は聞き込みのあと、

終電ギリギリまで、秋葉原の散策を満喫したらしい←主に猫又が。

良い笑顔の猫又からの報告だ。

…ご愁傷様(苦笑)



-カクヨム版、あとがき-

現実の取材のお出かけ相手は姪っ子でしたね(笑)

姪っ子、ありがとう。このお話はあなたのお陰で出来たのです。


当日、上野での事。

そこつなみなはらは、『ブリューゲル展』の展示会場が大阪に移ったのを見逃していたのでした(苦笑)

それで、その日は上野で『ブリューゲル展』と『アンチンボルド展』を見る予定だったのを急きょ変更して、渋谷Bunkamuraで『ベルギー展 -奇相の系譜-』を見たのです。

会場が空く前に、上野東照宮に参拝してからですね(笑)

あのときは、まだ改築中だったのかな?


『アンチンボルド展』で、TVでも宣伝していた自分の写真から野菜で肖像画を作るプログラムは実際にやりました。現実にカメラを忘れたのは本当にあったことです(苦笑)

ミスしまくりでちゃんとエスコートできていない、ダメなみなはらのエピソードをそのまま使ったのでした(笑)

『アンチンボルド展』面白かったのですよ。野菜や果物、魚や鳥、獣などの狩猟の獲物や、本などの静物絵画の題材で肖像画を描くというのは、見て、本当に面白かったのでした。


自分の写真からの肖像画は、話題としては良かったけれど、やはり画家の描いた絵は、圧が違います。

お話の中で、力のある絵画をあやかし、付喪神つくもがみなどの存在や、成りかけと称しているのはこの辺りから思い付いたことです。

絵画というのはひとつの世界で、それが力を持ち、意識を得るとあやかしとなる。

そういう風に設定したのですね。

展示されながら世界を旅する、あやかしの絵画たち。ちょっと面白くありませんか?(笑)


同じように年を経た器物もあやかしとなると設定し、東照宮の社の狛犬や渋谷のハチ公像も意識があることにして書いてあります。


上野から渋谷に移動した後、ハチ公前にも行きました。ハチ公につかまって写真を撮っているJKらが居たのも実際にあった話です(苦笑)


Bunkamuraでは、幾つかの画廊、ギャラリーを覗かせて頂いて、近代アート風にアレンジした仏像(スラッとガネーシャもいました)を見たり、バベルの塔をアレンジした絵画を見たりしたのですね。

主人公の過去の思い出は自分の記憶です。昔のワンフェス(晴海)は面白かったというお話ですね(笑)

その後に『ベルギー展 -奇相の系譜-』を見たのです。

正直、自分的には上野よりこちらの方が良かったのでした♪

ブリューゲルの歩く魚やラッパ吹きは、コミカルながらも凄かったし、

マグリットは展示会に行くくらい好きな画家ですので(笑)


特に、パナマレンコの『スコッチ・ギャンビット』は大ヒットでした。

乗り物の立体模型、水上フロート付きの飛行船でしょうか?

あのデザインは凄くイメージをそそられて、

このお話、主人公のゲーム世界、メカのあるファンタジー世界に出したいと強く思いました(笑)

『スコッチ・ギャンビット』いいデザインです。

気になる方は、パナマレンコ、スコッチギャンビットでググると出てきます。

試してみてくださいませ。


『ベルギー展』の後のラッシュの電車の話も実話です(笑)

地方から来ている自分と姪っ子は、ラッシュで彼女とはぐれないように、あいつを後ろから抱き留めたのでした。となりの会社員にぎょっとされて(笑)

お互い当たり前の顔だったから良かったんですかね?下手したらチカンおやじとして通報されてたかもしれません(苦笑)


まあ、あの日の取材旅行おでかけはそんな感じでした。

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