第3話 ライトノベル日記 -らのべ日記-より、『たびびとのき』

ライトノベルらのべ日記


×月○日 旅人の木



今日は新宿御苑にひとりで来た。


座敷わらしは一緒に来たかったみたいだけど、

…うん、今日は断った。


ひとりで来たかったし、

元々あの娘と来る予定だった場所に座敷わらしを誘うのは、さすがに気が引けた。あの娘と来ることはもう二度とないとわかっているけれど。



あの娘と前に行った新宿NSビルの振り子時計と同じで、

新宿御苑は生前の自分にとってのお気に入りの場所のひとつだった。


当時、変わる季節ごとに何度となく訪れた。

春の桜、6月の薔薇、10月の菊展や、

おだやかな日に、いつもの芝生で寝転んだり。

庭園の池や木々や、公園の外の風景。

建ち並ぶビルとの対比、都会の公園ならではの景色を楽しんだり。

大温室に行ったり。


写真も沢山撮った(微笑)



生まれ変わってから少し前に見た、新海監督の『言の葉の庭』あれの景色が新宿御苑だと気づいて、

あの日、あの娘から展示会に誘われた時、時間的に無理かなと思いながらもNSビルと御苑はお出かけスポットに入れてみたんだった。



あの娘が、たぶん思い出すことはないだろうと思いながらも、いたずら心で彼女を連れてきてみた。

生前、あの娘にとっても生前だ、彼女と一緒に新宿御苑には来たことがあった。

前の時、幾度か連れ立って来た場所だ。


あの日、

あの娘はやはり思い出すことはなかった。

前の時に入って、あの娘も楽しんでくれた大温室も改築されて、別の建物になっていたしな(苦笑)


それでもあの日、あの娘と一緒に来ようと思ったのは、

生前のあの娘、あいつが約束だと言ったこと。自分のハマっているゲーム、TRPGってものを一緒にやるという話を思い出して欲しかった気持ちが少しと、

前に一緒に見た『旅人の木』、あれが見たかったからだ。


『旅人の木』、バナナの木に似た葉を持つ、観葉植物。


極楽鳥花ごくらくちょうか属なんだな。

バナナと同じ芭蕉ばしょうの仲間かと思った。

極楽鳥花、そのままバードofパラダイスなんて呼ばれてるんだ。ちょっと面白い。

旅人の木の花は極楽鳥花に形が似てるけれど、白いんだな。

こっちの方が好きだ。一度見てみたい。


旅人の木は大きく成長すると下の葉が落ち、ヤシの木のように幹だけが残り、上で葉を東西に広げる。

だから『扇芭蕉おうぎばしょう』とも呼ばれているらしい。


花言葉は「何ものも恐れぬ精神」で開業祝いに向いているそうだ。


ネットでちょっと調べたら、そんなことが書かれていた。



今自分が作っているTRPG世界で、世界樹と呼ばれる木としているもの。そのひとつ、『旅人の木』は南方の世界樹にしようと考えている。


自分のイメージは大きく育った旅人の木、ヤシのように上方で葉を広げているのではなく、

まだ若い木、開きかけた扇子せんすのような格好で、ただひたすら巨大。

密林から開きかけた扇が大地に突き刺さるようにそびえたっている。それをあおぎ見ているそんな光景イメージだ。



少し前に読んだ女の子向けのライトノベル、『異世界コンビニ』だったかな?そんな名前だったと思う。

そこに世界樹と呼ばれる桜が出てくるお話を読んで、

自分が好きな木を世界樹にするという天啓アイデアをいただいた。

旅人の木の世界樹は、そうして南方の地に立っている。



桜もいいな…。

そのお話のようにいつか、自分も桜をモチーフにしたお話をやってみたいなと思う。桜は自分も好きだから。


あのお話の世界樹としての桜や、別のお話だが、やはり巨大な桜のある世界。6本の桜に囲まれたあの街のような、桜、人々、世界が重なり合い結びついている物語せかいを作ってみたい。


そんな話を、旅人の木の前であの娘にしてみたら何か変わるだろうか?なんて、そんなことを考えていたけれど…。



前のあいつが好きだった木、

今回、結局一緒に見ることもなかったし、

TRPGの約束も果たせなかったな。


温室を出て、芝生で思い思いに休息する家族連れやカップルに混じり、

人があまり居ない場所に寝転がりながらそんなことを考えていた。



閉苑のお知らせだ。

だいぶ時間が経ったみたいだ。

芝生に寝転んで見るともなく眺めていた周り、ビルたちを、

起き上がって思い出にするために見つめる。


今日は長い時間をかけて帰りたくない。直接家に帰ろう。

遅くなると、座敷わらしも心配するしな(微笑)


自分の周りだけ現実から切り離し、扉を創造する。

扉を開ける前に振り返り、温室の方を見て今日の旅人の木を思い出した。



また来るよ。たぶん…



-なろう版 まえがき-

間違って消した話のひとつ、再生版です(;^_^A


時系列でいうとお話の終わり近くですかね、だいぶ先のお話です。

なんで載っけたかというと、消えたのが出来たから♪と、

また消すのが怖かったからorz


お話の中の「旅人の木」の花言葉、「何ものも恐れぬ精神」には至りませんでした(苦笑)



-あとがき カクヨム版-

前話の『まよってついた』で書いていた、新宿御苑の大温室にリベンジしたときのお話を書こうかとしてました、ともかく初めは。

初めは、お話のタイプはリベンジしたときのラブコメかなぁと、漠然と思っていたのですね。でも、繰り返しはおもろいのかな?という疑問が出たりして、

その後、こういう形に落ち着きました。


ヒロインの彼女はもういない。そういった時間の流れ。

ろーぷれのお話の後日談くらいの位置付けかな?

いや、もうひと揉み考えているので、最後のお話のインターミッション、幕間のお話ですね(笑)


実際に時間の順番通りに配置するなら、

らのべ日記で投稿するなら、今は投稿済が10数話なので30~40話の頃に投稿される話ですかね~?

ろーぷれ日記は投稿済が40数話なので、

こちらで投稿するなら80~90話くらいで投稿になりますか(苦笑)

先の長い話です。


ある時、勘違いからお話の文章が消えたことがありした。

この話を含めたいくつかの話やネタが、記録元のガラケーから消えてしまったときは、それはもうトラウマになりそうな出来事でした(苦笑)


幾つかのお話は、頭にある文章が記憶のなかから押し流される前に、焦りつつ再度入力して再生させたりしたのですが、この話や幾つかはすぐに出てこなくて、再生記録することができなかったのです。ネタと書きかけの断片だったからかもしれません。


ある時、記憶の底からふっと忘れた話が出てきて、あわてて記録したのです。

それがこの話です。

かなり先の話でしたが、本当にまた消えたらダメージは計り知れない。そう感じて投稿してしまったと。書いているといろいろありますね(笑)



さて、紀行文のような取材おでかけのお話です。

取材のお出かけは、前回書いたように、また姪っ子と行きました(苦笑)


出かける少し前に、新海誠監督の『言の葉の庭』を見て、物語の舞台である新宿や御苑の雨の風景とか見たりしたんですね。

自分の覚えている風景と同じだなぁと思ったりして、主人公がヒロインの女性教師と出会った休息所の場所はあそこかな?と記憶の中から思い起こしながら鑑賞して、

出かける当日に姪っ子にソフトを貸したりしました(笑)


今回は、前回の失敗の反省から、目的を絞って新宿御苑だけ予定を決めて、あとは新宿を適当に散策して帰る。

そんな感じで計画したので、新宿デパ地下でお弁当を仕入れてから新宿御苑へと出かけて行きました。

大温室へと向かい、目的の『旅人の木』を見て、投稿用に写真撮って、姪っ子を連れて温室の中を散策したりしました。←旅人の木は今、みてみんユーザーみなはらのトップの著者写真に貼り付けてありますね(笑)


温室は緑の空間なので、癒されますね❤️

熱帯などの植物なので、植生を見ていて飽きないですし(*´∀`)♪

個人的には旅人の木やバナナみたいな青い葉ものや、ソテツとかの大型のシダ、子供が乗れそうなオオオニバス、サボテンとかが好きです。

自分の身長くらいある、デカいアロエみたいな竜舌蘭もお気に入りだったんですが、今は温室の敷地には無く、屋外エリアの入れない芝生の上に植わっています。残念( ̄▽ ̄;)


あとは言うまでもなく美味そうなやつ(笑)

タコの木の実やバナナ、パパイヤ、マンゴー、カカオの実など。タコの木の実が食べれるかは判りませんけど(苦笑)

食べ物は、なんかワクワクしますね。パパイヤ、マンゴー、早く熟れないかなぁとか(*´∀`)♪



大温室を出てからは辺りを散策しながら、お弁当を食べるところを探したりしました。その辺りの芝生に座って食べても構わないんですが。

屋根のある休息所や木陰のベンチもたくさんあると知ってますから、狙い目はそこですね(笑)

行ったのが真夏でしたので、特に見頃の花は少なかったですが、

あそこは桜に紫陽花、薔薇に紅葉、季節毎の見る花や葉がキレイですので、入苑料金払ってゆるゆるするには手頃なんですね、温室とか無料ただだし。

10月の菊展は、なかなかオススメです。大鉢の菊は圧巻です(*´∀`)♪


目当ての『言の葉の庭』の舞台と思しき場所に陣取って、お弁当を食べたり写真を撮ったりしました。池の中の島と対岸を繋いでいる鉤形の橋や、公園の緑の向こうに見える高層建築は都会ならではですね(笑)

ここに来ると、ああ、新宿に戻って来たという気になります。


最近は、自分がいた頃と違い、日本人や欧米系の人ばかりでなく、アジア系の人が多いですね。これも時代の流れですね。



出入口近くの売店で締めのソフトクリームを食べて、新宿御苑を後にしました。

ほど近いところの新宿花園神社を参拝しようかとも思いましたが、事前に姪っ子と打ち合わせていた、新宿にある画材展、『世界堂』に寄ることになっていましたのでそちらを先に行きました。


姪っ子は画材を見て回るのが好きで、自分の創作に使えないか考えながらうろうろして、地元の画材店やホームセンター、100円ショップの画材コーナーなど、小一時間は平気で散策しています。

自分も画材など見て回るのは好きなのですね。

東京にいた頃は、ここ『世界堂』や『東急ハンズ』など、何を買うわけでもなくうろうろと見てあるいていたものでした。


だから、姪っ子の買い物に付き合うのは全然苦ではありませんでしたが、いかんせん世界堂の画材は量が多い。ビルの5階層ぜんぶが文具と画材ですから、見所満載ですよね(苦笑)

姪っ子は結局、3時間半くらい、休憩も取らずに見て回っていました(;´д`)

3時間くらいのところで足が疲れたのか、少し足を引き摺り始めたので休もうと催促したのですが、そこから30分くらい粘りました( ̄▽ ̄;)



買い物を終えて、おんぶしようとか聞いたのですが、さすがに嫌がられまして(苦笑)

荷物を奪って、手近の休憩場所を探して、

直ぐ近くの新宿マルイにあるシナモンロールカフェへ行ったのです(笑)


中は若いお姉ちゃんばかりでした。←当たり前だ!!夏休みでも平日の昼間なんだから( ̄▽ ̄;)


オヤジと中学生に間違われるくらいの女の子が、お姉ちゃんで一杯のサンリオ系のシナモンロールカフェにいる(;´д`)

非常に不本意ですが、仕方ないのです(苦笑)

自分は柑橘系のブルーハワイみたいなドリンクを選び(サンリオ系の可愛らしいやつです)、

姪っ子は飲んだことが無いと、エスプレッソ系のものを選びました(デコレーションは可愛らしいやつです。ヒゲの形のチョコが付いてたりしました)。

逆やん!!と心で突っ込みつつ注文し、お約束のように逆に置かれそうになったり。イベントは満喫しましたよ。

味はどっちも美味しかったです。交換して味見しましたので(笑)



足の疲れがだいぶ良いということを確認しつつ店を出て新宿駅へ。

あとは帰るだけです。

と思ったら、途中のゲーセン寄ると言ったので、また寄り道です(苦笑)

足の様子を見ながら、小一時間は居ましたかねぇ。


新宿のラッシュ前には列車に乗れるかと思ってましたけど、結局また、通勤ラッシュにまる被りの列車でした。

今回で3度め(;´д`)

悟りましたよ。早くは帰れない。妹にはちゃんと送ると連絡して、いつも通りに途中で夕食を食べてから帰りました(苦笑)



こんな感じの新宿御苑の紀行文ですが、いかがでしょうか?

長々と失礼しました。


次回はかまちですね。たぶん。

それではまた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る