ずっと好きな人がいて、その人と付き合う事になった。だけどその人の心には、いつだって自分でないあの子がいた。
そのあの子は、まだ小学生の女の子。そんな相手を気にするなんてと思うかもしれませんが、恋する瞳は的確に真実を見抜き、そして確信します。この恋は、期間限定の恋になると。
いつかは別れると分かっていて、それでも付き合ったのは、きっと本当に彼の事が好きだったから。それが十分に伝わってくるからこそ、この後訪れる切ない展開に心苦しくなります。
初めから、結末の分かっていた彼女の恋。果たしてそれは幸せだったのか。気になる方は、全てが過ぎ去った後の彼女の言葉に、どうか耳を傾けてあげてください。
ずっと気になっていて、ようやく付き合うことができた彼の心の真ん中には、いつもあの女の子がいた。
きっと彼にとって、あの子は何よりも大切だから。私が付き合えるのは、あの子が大人になるまでの間だけ。これはそんな、期間限定の恋。
いつかは別れると分かっている。それはとても切ない恋ですけど、それでも好きと言う気持ちは止められません。
初っぱなから悲しげな雰囲気が漂っていますけど、読み終わった後には、焦る気持ちも、微かに抱いていた期待も、中々きのうのものになってくれない悲しみも、その全部が無駄ではなかったと思える、暖かな読後感がありました。
切ない恋でも、ただ悲しいだけでは終わらない。前向きな気持ちになれるお話です。