悟った男

TNゴン汰

悟った男。

悟理戦人(さとりせんにん)は、ぼーと外を眺めていた。


 そしてつぶやいた。「今日も、またつまらない日々が始まるなぁ」。


戦人はかなりのハイスペ男、つまりスペックが高く、能力が高く、モテ男だった。


過去の話はまったくしないので、周りからもどのような経歴なのかあまり知られていないのでプライベートでは謎の人と思われがちであったが、会社では一目置かれていた。


IT系の会社に勤めており、年収は2000万くらいあった。外資系に勤めていた。


 ITの専門職としての技能もかなり高く、それだけで十分だとも思えたが、それ以外の範囲の知識もかなり豊富であった。


具体的には、政治学、経済学、経営学、心理学、哲学、社会学などの学問にも詳しく、さらに英語は堪能なのは当然として、地頭もよく、コミュ力も高かった。


 

 


戦人は会社帰り、カフェでコーヒーを飲みながら休んでいた。


その隣の席に、女性2人組がいて、会話を弾ませていた。


「モンダリングって番組、面白いよねー、超受けるよね」「ほんと、引っかかる人の姿が面白い」。


 戦人は内心、思った。「くだらない。モンダリングの番組はやらせだとわからないのか。TV番組の多くはやらせであり、フィクションなんだよ」


 さらに、女性2人組が、ドラマの話をし、盛り上がっていた。


「あのドラマのストーリー、惚れ惚れしちゃう。ああいう恋愛したい」。


戦人は思った。「くだらない。ドラマなんて、フィクション(作り話)に決まってるだろ。作られた話であり、都合がよいストーリであり、現実とはずれていることもわからないのかな。さらに、マンガも映画も全部、フィクション。所詮、作り話」


そして、女性2人組はスマホゲームを取り出し、夢中になって遊んでいた。


戦人は思った。「くだらない。ITの頭いいプログラマーが、情弱に課金させて儲けているに過ぎない。こんなくだらない、生産性のない時間を使って、何が楽しいんだろうなぁ。。。 」


さらに、女性2人組は彼氏の話に移った。「女性の1人が言った。「彼、ちょうカッコよくて、私、ぞっこんなんだよね。でも、最近、冷たいんだよね。。。LINEもたまにしか帰ってこないし。嫌われてるのかな?」


戦人は思った。「くだらない。その彼氏に都合のいいように扱われていることに気づかないなんて。セフレにされているようだな。本当にくだらない」


加えて、女性2人組は芸能人の話題になり、「カッコ良すぎてどうしよう」とか言っていた。


戦人は思った。「芸能人なんて、メディアによって作られた虚構だということすら理解してないのか。芸能界の仕組みすら知らないんだろうなぁ。所詮、芸能人もTV局などの駒に過ぎないのに。本当にくだらない」


最後に、女性の1人がもう1人に対し、「私、最近、かなり良い旅行をして、彼氏にいいプレゼントもらった」と自慢していた。


戦人は思った。「くだらない。マウンティングか。自分を上に見せて、自慢する。実にくだらない」。

 


 


戦人はカフェを出て、自宅に戻った。


そして、いつものように読書をし、知識を深めていた。


「所詮、世の中で信じられるのは自分の知識とスキルのみ。他人なんて、平気で騙すし、裏切るし、「自分に甘く他人に厳しいバカばかり」だし、知識もないし、怠け者だし、さらにエリートさえ、勤勉な奴なんてほぼいなく、私利私欲な奴ばかりだ。本当に人生はくだらない」と独り言を言っていた。


 戦人は世の中の構造をかなり見抜いていた。


さらに、人の心理が手に取るようにわかるようになっていた。


つまり頭が良かった。


しかし、頭が良すぎたため、「大半の人が自分より下に見える」というジレンマに陥っていた。


もちろん、頭が良いので、それすらも自覚している。


わかった上で、騙されることもあるし、付き合うこともあるわけだ。


内心は「くだらない」「人生なんてくだらない」と思っていた。


さて、世間では東京五輪の季節がやってきていた。


戦人は、つぶやいた。「くだらない。東京五輪なんて所詮、茶番。五輪で騒いだからと言って、大半の人の人生には無関係だってこと分からんのかな。こんな茶番に付き合うくらいなら、自分の人生の向上に使った方がいい」


戦人は悟っていたので、ほとんどのイベントが茶番であり(自分の人生には関係ない)、ドラマも映画もマンガもフィクションであり、現実には使えない代物だと悟っており、さらにゲームもはまりすぎは時間の無駄だと知っていたし、恋愛でさえモテすぎてて、しかも女性の魂胆が丸わかりのため(お金目当てが多い)、くだらないと感じていた。


しかも、メディア(TV、新聞など多数)も本当のことを言わず、嘘だらけだとも知っていたし、芸能界も嘘だらけだと知っており、世の中、嘘だらけ、騙しだらけ、洗脳装置という認識ももっており、くだらないと感じていた。


戦人が悟ってしまった理由は以下のブログとnoteを読んでからだった。


それは「」のブログとnote記事、さらに「」などの有料記事であった。


そこに、世の中の真実が書かれていたのだ。


それを読んで以来、戦人は裏の世界の構造が把握でき、くだらなくて仕方なくなったのだ。


たまに思う。


あのブログと有料記事「」は読まなくても良かったかもなぁと。


知らないことは幸せでもあるのだ。


この作品はフィクションです。

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