あとがき:幻想国は如何にして生まれたのか

 働かなくても生きている社会は将来的に有り得る。てか、真面目に無いとヤバい。


 どうも、作者のバチカです。


 この度は、本作を読んで下さり誠に有難う御座いました。


 本作は、『仕事』と『国』をテーマに描いた作品です。


 主人公である大梨能男と同様、私も仕事が出来ない人間でした。仕事をしないとお金が得られない(=生きていけない)世の中である以上、仕事が出来ないことは生きていけないということになります。


 まして、非正規雇用の増加など安定した雇用は次第に失われており、そうならないようにするため、安定した職に就くためのスキルを身に付けようにも、求められる閾値は年々増加しているのが世の中です。


 まして、AIの発達などで人間のする仕事は徐々に失われていくと言われており、仕事の出来ない人間というのは、この先、まっとうに生きていくことすら困難になってしまうのではないでしょうか。そんな未来しか待っていないというのに、どうして明日に希望を持って生きていけるのでしょうか。


 少なくとも、私もそんな感じでした。


 『反緊縮』という言葉をツイッターで知るまでは。


 そこで学んだのは、長くなるので多くは伏せますが、『仕事は供給活動』『日本は供給過多で不況になった』『自国通貨を発行できる国が財政破綻を起こすなんて有り得ない』『今は、国がお金を使いまくらなければならない』といった経済の常識でした。


 そして、それらの話をまとめるうちに、最初の文のような結論が出たのです。


 働かなくても生きている社会は将来的に有り得る。てか、真面目に無いとヤバい。


 結果、生まれたのが、『AIが生産を行い、人間が消費を行う』社会モデルの国、セフィア幻想国でした。


 この社会ならば、『AIに仕事を取られる』なんてことは何ら脅威ではありません。人間はただ、消費をすればよいのですから。ほとんどの人間がすべき生産活動は、ただルールやマナーを守り、町の秩序を維持していればよいのです。働かなくても生きていけるなんて、少なくとも、働かないと生きていけないのに働けないから生き辛くて悩んでいる人達にとって、とても楽園ではないでしょうか。


 まあ、それはそれで色んな問題があるのでしょうけど。


 今回は、そんな理想に加えて、私の好きなスーパーヒーロー要素を加えてこの物語を作りました。


 現実問題、将来は、AIに仕事を取られ、スキルの無い人間は今まで以上にますます生き辛い世の中になってしまうのでしょう。


 だけど、そんな辛い世の中になってしまう中、セフィア幻想国のような社会を本気で考えていた人間がいた。その事実はどうしても残しておきたくて、私はこの物語を作らせて頂きました。


 大変拙い内容でしょうが、本作が読者の方々の記憶に残って下さると幸いです。


 長々とした内容で恐縮ではございますが、これを以てあとがきを終わりにします。


 本日は、ありがとうございました。


 次回は、これの続編か(四部作って書いちゃったし)、何か別の世界を書こうと思います。


 それでは。


 

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転生した無能、異世界でスーパーヒーローになる バチカ @shengrung

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