08.本物



私は悠真と会わなくなって2年経つが

何も成長していない。

むしろ、悪い方向へと流れている。


元彼に言われた"ヤらせてくれる女"

の称号は大学内でも少し有名なようで

私に近寄って来る男子学生の殆どは

そういう気持ちなのだろう、

そう言い聞かせていた。


そんなある日、

1人の同じ学部で同じゼミの

新田 駿という男子学生から

"本気の告白"と言われ告白された。


レポートを一緒に作成していた時

"なぁ、佐久田。

俺ら付き合わない?"

と言われた。私は冗談だと思い、

"私の噂知ってるでしょ?

根も葉もない噂だけど

本当かどうかは分からないでしょ?

私とは友だちでいよう今まで通り"


と、返したのだが

新田くんは引き下がらなかった。


"佐久田にそういう噂があることは

知ってる。でも、俺は大学入って

3年見てきてるけど、俺にはそうは

映らなかった。逆に純粋で無垢で

初めてさえ経験なさそうに見える。

違うか?"


"俺は何年でも佐久田に

告白し続ける覚悟はある。

振られても振られても告白してやる"


そんな事を言ってくる新田くんを

信じてみようと思った。


"そんなに告白されたら

私が気まずいよ。

だから、今日から…ね?"


と返したら、新田くんは

ポカンとした顔をしていた。


"今日から駿と陽。

そう呼びあわない?

それともヘンテコな呼び名で呼び合う?"

と、冗談を混ぜながら返事を続けたら


"よっしゃーーー!"と叫んで喜んでくれた。


この人となら幸せになれそう。

そんな気がしていた。




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2番目 @tea-pot

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