そんな一言が浮かぶ物語です。
特撮のお約束である勧善懲悪でもなければ、ピカレスクストーリーでもない、だけれど引き込まれる魅力、威力を持つ娯楽作でした。
主人公は、どこかお人好しに思え、その性格故に苦労してきた、またこれからも苦労するのだろうと想像できるキャラクターです。その親しみやすさこそが、この物語全体に流れているような気がしてなりません。
正統派とは、とてもではないですがいえないヒーローですが、その自分の欲望に対する素直さが、このボンノウガーというヒーローのパワーにもなるというシステム。
面白いです。興味深いというのではなく、笑ってしまう方向に。
脇を固める登場人物たちも、濃いという一言が実によく似合います。
皆、揃って性格が良く、脇役ではなく「助演」と呼んだ方がイメージに合致する印象です。
完璧な娯楽作、娯楽作として完璧…そういうしかない物語です。
当方特撮が大好きでして、特に仮面なライダーとか戦隊モノとかのニチアサ大好きなのですが…到底朝には放送できないようなヒーローが登場するこの物語、めちゃくちゃ楽しませて頂きました!
中途半端に人がいいせいであれこれ苦労する煩悩の塊な主人公・禅が読んでてどんどん好きになっていきます。彼の正統派ヒーローとはとてもいかない弱いところが、いざという時とてもたまらない!
ヒロイン優月や謎のイケメン(変態)アキラ、お蝶さん、ママ、タクシー運転手の風祭さんなど脇を固めるキャラの濃さも堪らない。
下ネタのレッドカーペットの上を音速で突っ走るような物語、堪能させていただきました!
続きは別サイトに掲載されているとのことで、そちらも気になります!