終章~~次・次世代へ

エピローグ

 俺と満月の結婚から32年がたった。

 俺たちの仲は良好で結婚後早くも子供を授かることができた。

 しかし、その結果として黄泉の国への侵攻と子育ての両立というハードワークが待っているとは思っていなかったが。

 しかしそれも過去の思い出。

 俺が要となっている黄泉と現世の境界は安定しており黄泉の世界にも人の都市が出来上がっている。

 鬼たちとの戦いはこれからも続くがここはその前線基地になる者だろう。

 しかし、俺たちももう年だ。

 前線に立って活躍する主役は俺たちの息子たちにバトンタッチされた。

 その子供たちが、早くも子供たちを作っていたものだから、今では孫達が一線級の実力をつけ始めているのが現状だ。

 中でも一人厄介なのが居たりする。


「こらぁ、旭。また勝手に郊外へ出ていたそうじゃないか。」

「じじぃ、五月蠅いぞ。何も無かったんだから問題ないだろうが。」

「何か問題があってからでは遅いと何度言えばいいんだ。」

「それこそ俺の求めるものだ。」

 俺たちの孫の中に旭の面影を見た子に同じ名前を付けたのだが、

「俺は誰よりも強くなって伝説になる。」

 いつか見た旭と同じポーズをとって宣言したりするもんだからこの子は旭の生まれ変わりではないのかと思うこともある。

 だからこそ余計に心配がかさむのは仕方ないのだろう。

「だが、それで旭についてくる子達が危険な目にあったら困るだろう。」

「大丈夫だ、俺に付いてこれるのは1人しかいないからな。」

 ちょっと自分の孫の交友関係に涙が出ちゃう。

「いいじゃないですか、あなた。」

「しかしな、満月よ。」

「まるで本当に旭ちゃんが戻ってきたみたいで私は嬉しいですよ。」

「その気持ちは分からないでもないが……。」

 俺としては旭に付き合っているという子が俺たちのたどった生贄云々の様な企みに巻き込まれたりしないかが心配だった。

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神剣双娘生贄譚~二者択一の殺意=愛 軽井 空気 @airiiolove

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