どこまでもカッコイイ魔王

 圧倒する力で魔王なのに悪党を次々と倒していく。
なかでも、仲間か゛傷つけられた時の戦いは、恐怖の象徴としての魔王の鮮烈さをみせつける。
 また、悪党に利用されてしまった魔物にさえ、殺さねばならないことに憐れみをみせる優しい魔王。
 そして、その中身クロノは、じつは社会ルールをたっとび、ちいさな失敗にもショックする真っ当な男。
 その格差が、コミカルで物語の息抜き、ほっとする部分でもあると思う。 登場人物達の、姿も目を離せない。
 守りきれない己の不甲斐なさ、悲しみ葛藤を重ねながらも、確実に勇者としてのハクトの成長する姿も見逃せない。
 そして、セレスティア。超略に機敏ですべてを見通す聖女。
 しかし、クロノが自分を中心に想いを寄せていると思い込み、心酔しきっている。すべては見通すが、自分は見えない所が、ギャップでありクロノとのおもいの対比が可笑しい。
 魔王といいながらも、まるで会社の社長さんの様に金策に、米を売り刀を売りバイトをする。
 けして魔王としての圧力をつかっての金儲けをしない所が可笑しい。
 他の登場人物も、一人一人丁寧に人物描写されていて、つい感情移入してしまう。
 先々の物語の展開が毎回楽しみで待ち遠しい。

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