第2話 10日前
10日前。惑星ワード
「嫌な予感しかせん」
No.1はブツブツ言いながら城へ向かっていた。王から呼び出しを受けた。
何をやらかした?この前の会議か?それとも遠征討伐か?
元老院が何かまた要らん事言うたんかな。
飛べばすぐ着く距離にある城なのだが敢えて徒歩で向かう。足取りは重い。
ワード星の戦士200強に入るには数年に1度あるかないかの不定期に開催されるトーナメントで勝ち抜かねばならない制度がある。
200強の戦士が戦争などで2割戦死した時。又は元老院が全会一致でNo上位者を不適合とした時。主にこの2点でトーナメントが開催される事が多い。
私は12歳で史上最年少でNo.1に1度なった。
ワード星の長い歴史での最年少。実年齢12歳。寿命が長いワード星人がこの年で頂点に立つなど異例中の異例だった。
政治能力はもちろん無かった。特にその時、、、反抗期であった私は元老院から沢山不評を得た。
それでも実績を残せば良いと思い人一倍討伐に参戦した。他星人を根絶やしにもした。
しかし、戦士6強との仲も悪いだけでなく火のない所に煙が沢山上がっていった。
王を誘惑してNo.1になった、元老院を誑かした、敵星人を誘惑して懐柔させた。12歳にはキツい噂ばかりであった。
私は自覚がないだけで顔だけは美しいらしい。これも誹謗中傷から出たようなものだから信用出来ん。
そして私の治世は2年で終わった。
久しく王からの要件も伝えられずの呼び出しをくらったからかな。黒歴史を思い出してしまった。
でも、その後のトーナメントで再びNo.1になったから今ここに居るんやけん!頑張るしかなかね。
私は玉座の間のドアをノックする。
「No.1、フィルド・レア・リンメイです。」
中から王の声がする。
「入れ」
「失礼します」
勢いよく扉を開ける。
もちろん玉座には王が居た。ん?何か変?
そう思ったが王の前で片膝を着き平伏する。
「面を上げよ」
王の言葉を受け顔を上げる。あ、、護衛が居ないのか。
何時も両隣に居る直近の護衛を外している。
護衛の必要などないくらい王が強いのは解るのだがやはり何かある。
「今日はどの様なご用件で、、その。呼び出されたのでしょう?」
硬い表情で王を見つめる。
「No.1。そう硬くなるな。そなたらしくない。いつも通りで構わない」
王は笑顔で見つめ返す。
と言われても腹の中は読めない。
私は表情を崩せずに居た。
「リンメイ。今日はプライベートな依頼で呼び付けた。依頼を受ける受けないはそなたに任せる」
あー。なるほど。これは厄介事には違いないが。
「また何かやらかしたかと思ったとにプライベート依頼って。」
私は深く溜息をついた。
「ほぅ。思い当たる節があるのか?何を仕出かした?」
意地悪そうに微笑む。
「ないないないない!何もして無い!」
慌てて首を振る。
ふふふ。王は相変わらず意地悪そうな視線で笑う。
私は政治能力は無いが戦闘力だけはある。世論が私を排除しようとした時も王は私を信じてくれた。
――― お前は強い。世間や元老院が何と言おうと後数年耐えろ。そしたら政治能力は追い付く。その戦闘力を潰すのは惜しい ―――
1度失脚したが再びの戦士200強を決めるトーナメントで圧勝で返り咲いた。それから数ヶ月、私はひたすら頑張って来た。
「まずは話しを聞きます」
王に笑顔を向けた。
王は頷きまた笑顔で話し始めた。
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