第3話 咲いたのは何?
あれから幾度も夏を超えて
今、私はあの時の彼とは別の男性と一緒にいる。
あの旅行のことは未だにバレていない。
もし、あの時バレていたら退学になっていたかもしれない。よくもあんなことが出来たもんだ。バカだ。
今の彼とはお互いに忙しく、なかなか会う時間が取れない。休日も合わないので仕事が終わってからの夜遅くに彼の家で会うくらいしかなかった。
短い時間しか一緒にいれないのに、彼は直ぐに寝てしまう。疲れているだろうし仕方がないとは思うけれど、彼はどう思っているのだろう?
「ねぇ、どうして寝ちゃうの?」
「ごめん……どうしても寝ちゃうんだ……キミと一緒にいると……安心して……眠く……なる……ごめ……ん」
その感じ、知ってるよ。
ある夜、また眠りそうな彼が何気なく呟いた。
「今まで生きてきた中で、今が一番幸せだ」
私は彼と結婚した。
遠い夏の日と今日の結婚は地続きだ。
上手くいかなかったから失敗。じゃない。
みんな繋がっている。苦くも甘くもバカでも。
あの時の彼はどうしているだろうか?
幸せを願う。
夏思いが咲く ぴおに @piony
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
関連小説
親父の説教部屋/ぴおに
★62 エッセイ・ノンフィクション 連載中 39話
思うことを書くノート/ぴおに
★18 エッセイ・ノンフィクション 連載中 65話
音楽祭/ぴおに
★19 エッセイ・ノンフィクション 連載中 64話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます