あとがき

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

 昨年大河ドラマにハマり、「金栗四三」さんで小説を書きたい!と思ってから早一年。まさかオリンピックが延期になるなんて思ってませんでしたが、なんとか本来のオリンピック期間に間に合うように書くことができました。


 新選組にハマり「自分の生み出した女の子と絡ませたい」的な発想で小説を書き始めた頃から全然成長なく(笑)、今回も「自分の生み出した女の子と絡ませたい」的な発想から書きました。


 史実の金栗さんは、ストックホルムオリンピックの後同郷の奥さんと結婚されるので、この物語は「オリンピック前に別れる」ことをゴールに据えてスタートしました。なので、どう綺麗に別れるか……みたいなのが争点でした(笑)史実(というか主に大河ドラマから得たイメージですが)のおしどり夫婦っぷりが微笑ましく、そこは壊したくなかったので。


 史実だと、金栗さんは学生時代女っ気はほとんどなかったようで、トレーニングのために市電なんかもほとんど乗らなかったそうです。っていうのに忠実すぎるとこの物語は破綻しているので、そっと目を瞑らせていただきました(笑)


 物語自体は、五万字規模の小説はこれが初めて書いたものになります。一万字前後の短編か、だらだら長い新選組小説しか書いてなかったので……。五万字にしよう!と決めてかかったわけではないですが、結果的にそのくらいの長さになりました。


 新選組ものだと、オリジナルキャラは主人公だけで、あとは周りの人がだいたいみんな史実の人、ということである程度人となりも決まっている中で書けていたのですが、今回は真逆で史実の人は金栗さんだけ(嘉納さんと三島さんもちょっと出演しましたけど)。脇役たちのキャラ付けが難しかったです。倉橋やお父さんは本当にただのイヤな奴になってしまったし、キヨさんのいい人ぷりがチートじみてるし(笑)


 最初は、実はいじめの首謀者はキヨさんだった……!とか、逆にお父さんが実はちゃんといろいろ悉乃のことを考えていて……みたいな展開も考えたんですが、それだとどんどん本筋からそれてしまうので今回は悪役は悪役、いい人はいい人ということで役割をまっとうしてもらいました。……そういう二面性みたいなものをきれいに広げて回収する技量と気力がありませんでした。今後の課題。


 あと、本当はもっとはっきり好きだのなんだの恋愛展開にもっていこうかと思っていたんですけど、書いてるうちに二人の性格的にそういうのはないまま進んでいった方がしっくりくるかも……と思い、薄めに、にじみ出るタイプの物語にしてみました。

 ちょっと悉乃が不憫なので、せめて結婚相手はまともな人にしておきました。次男!姑の干渉なさそう!みたいな(笑)


 金栗さんが80年代までご存命だったのと、娘さんもまだ恐らく何名かご健在っていう、歴史上の人物とくくってしまうにはかなり身近な方なので(だって晩年はカラー写真とかカラー映像があるんですよ!)、こういう小説を発表するのはいかがなものかとも思ったのですが、よくも悪くもカクヨムで私の小説を読んでいる方は片手か両手で数えられるくらいしかいないので、まあいいか、と思って最後まで書いちゃいました(笑)


 あとがき含め最後まで読んでくださりありがとうございました!

 感想などぜひお聞かせいただけたら嬉しいです!

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疾風の往く道 初音 @hatsune

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