虚構による侵食、物語という暴力

怖い話って作るほどに日常が怪異に近くなっていくので、どんどん世界を見る目が変わっていくんですよね。
僕にとって、ここで描かれる恐怖は遠い世界に居る哀れな人の身に起きた悲劇などではなく、船底の板一枚を剥がせば容易に自らも飲み込まれる現実です。
向き合うからこそ僕は作品を作れる。けど加減を誤れば……僕もまた物語の最後に現れたものに飲み込まれることでしょう。
言葉は命で、それは怪異を取り込むことで容易く怪物へと成長する。
そうでした。そういえばそういうものでした。

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