第1話 あの夢は

ーガクン


肘が落ちた。

どうやら寝てしまったらしい。

国語はどうしても眠くなる。というか、5時間目なんて一番眠いときに、、、。

と思ったが、それよりも1つ気になる事がある。


(この夢、“何回目”?)


そう、結人は幼い頃から何度も同じ夢を見ている。


(なんでこの夢ばかりなんだ?なんか意味でもあるのか?しかもあの音楽。ていうかあの箱は−)

そんな事を考えているうちに授業は終わっ

た。


「結人ー、お前寝てたろ?」

水月が笑いながら言う。

「だって眠くね?」

「えーまた寝てたの?ちゃんと起きてなよ。とか言って水月も寝てたりして。」

葉月は水月よりも大人しい。優等生タイプだ。

「あ、バレたか。実は葉月も?」

「僕は起きてたよ」


そんな会話の間にも疑問は消えずにいた。


「で、またあの夢?」

「難しい顔してるよ。」

さすが幼馴染。考えてることはお見通しらしい。

「まあな。考えてもわからないからな。それに目が覚めるとどんな音楽だったか思い出せなくて。」

「いつもそうだよね。」


何度も、何人にも相談した。

でもその中で、真剣に聞いてくれたのは水月と葉月だけだった。

(母さんなんか、偶然でしょ。で終わりだもんな。)


キーンコーンカーンコーン

予鈴がなった。


「座ろうか。」


この放課は5分しかないからすぐに終わってしまう。

先生が教室に入り、席を立っていた生徒も一斉に席に着く。


次は、物理だ。




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