記憶の音
凛
第0話 懐かしい音
ポツリポツリと静かに雨が降っている。
気づけば、どこか知らない場所に立っていた。辺りを見回すが、周りには誰もいないようだ。
よく見ると、少し離れたところに時計がある。時刻は“5時13分”。
明るさからすると、今は夕方らしい。
その時、どこからか音が聞こえてきた。
どこか知っているよな、懐かしいような。
耳をすますと、音は後ろから聞こえてくる。
そっと振り向くと、そこには小さな箱があった。
吸い寄せられるように近づいて、そっと手を伸ばすと−
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