麻田 萌 第2話

梓は自分なりに、だけど勇気を振り絞ったみたいだった。


正直、単純な男子にそんな回りくどい方法分かるのかなぁ、なんて思ったけど、梓が満足そうだったから黙っておこう。


「ねぇ、萌はなんで好きになったの?」


「えっ?」


「言わなくてもわかってるくせにー」


「いや、待って。どういうこと?私好きな人いるなんて言ったっけ?」


「いや、言ってないよ?でも、萌、好きな人出来たって顔してる。」


「いやいやいや、いないから。」


「えー!うそだー!」


「嘘じゃない。ってか誰好きになったと思ってるの?」





「齋藤くん。」



そこまで恋バナだからかテンションの高かった梓が急に真面目な顔をして言うから驚いてしまった。


「いや、齋藤くんはただ、クラスと部活が同じなだけだよ」


「そうなのかー。」


「逆にさ、なんで梓は私が齋藤くんのこと好きって思ったの?」


正直、不思議だった。

梓は、今まで私が恋をしたことがない事も、恋が何か分からないまま悩み続けてることも知っているから。

だからこそ、気になってしまった。



恋を知っている梓には私と齋藤くんがどう見えていたのか。



「だって、今までの誰よりも、萌は話してて楽しそうだったし、気をつかってなさそうだったし。正直、ずっといる私よりもらくそうだったから。」


「そう、、、なのかな。」


恋をしたことがないから分からない。

でも、確かに齋藤くんと話してるのは、すっごく楽しい。








でも、それが『恋』なの?


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高校生の恋というのはこんなにも複雑なのか。 こもりる。 @comoriru_

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