おまけ・登場人物

※ネタバレを含むので、本編を読み終わってからお楽しみください。


■錬金術士のお姉さんカミラ

 衛星都市フーリィパチで錬金術士として生計を立てる。神都の王立錬金術ギルドで働いていた経歴の持ち主で、かなりの才媛であった。第二王子ヴィクトールがフーリィパチを治めるにあたり、結婚したばかりの夫と共に移り住む。

 夫と息子を一度に失い、一時は荒れた生活をしていた。椿に魔力操作とポーションづくりを教えた人物で、カミラ自身の師とも関わっていくことになる。

 緑色の魔力の持ち主


■最初の駅のでかい男カザン

 片手剣1本で青鬼2体を同時にあしらう凄腕の持ち主、縦にも横にもデカい。椿が与えたヒント(体験型学習)であっさりと固有魔法を発現させた。生き物以外の密度を変えて、大きさを変化させる。糞でかい鉄の塊を、小さく圧縮して持ち歩いていた。

 元は騎士として活躍するも、過労もあり嫌気が差し職を離れていた。ロムトス王とは同い年、騎士時代に気安い関係を築いていた。ロムトスの鉄騎、なんて二つ名がある。(主に国外でそう呼ばれる)

 黄色の魔力の持ち主


■若い商人

 開拓村で遭遇した。魔法道具を商材に各地を遍歴する。ロムトスでは、下手な言葉が災いしてか、商果芳しくなかったらしい。椿に魔法の水筒を売りつけた際は、結構ボッタクっていた。しかし、椿が魔力を篭めた水筒が無尽蔵の収納力を持つのを見るにつけ、自身の水筒に魔力を篭めるよう依頼する。その際に提示したのはかなり思い切った額であった。

 その後、ニジニで再会する。ニジニ王に人生を3回遊んで暮らせるほどの金額で水筒を売ることに成功したらしい。魔道具を作る職人でもある。明らかに職人としての才能の方が高い。

 緑色の魔力の持ち主


■4人組

 新鋭の冒険者と思いきや、教会勢力に掻き集められた特定の所属を持たない者たち。敬虔な信徒である剣士、フォロー上手だが世渡り下手の重戦士、千里眼の魔法を持つ魔女、この3人を教会の女神官がまとめ上げて行動を共にしていた。ニジニ国で聖女召喚が失敗した事、衛星都市フーリィパチでは召喚に成功するも聖女に逃げられた事、などの情報は掴んでいた。

 教会の街スペンチアから衛星都市に向かう途中で椿を発見し、引き返す形で追っている。


■女神官スターシャ

 4人組の女神官の名前、後に判明する。椿のロムトス語教育を担当するべく、神殿侍女の身分を与えられた。馬鹿っぽい行動ばかりだが、ニジニ語と北の国の言葉も使う才媛である。神都滞在中に、棍棒と盾による戦い方を同僚や椿から叩き込まれた。

 青い魔力の持ち主


■覗き魔女ポーシャ

 4人組の魔女の名前、後に判明する。20歳そこそこで固有魔法を発現させた天才魔法使いで、冒険者として名を馳せる。教会勢力とトラブルがあり、聖女を連れ戻す依頼完遂を以って清算されるはずであった。

 教会の街スペンチアで椿の鞄を燃やして怒りを買い、頭を叩き潰されるも椿のポーションで命を繋ぐ。死を体験し、魔法の真理に触れた他、魔力量が底上げされるなど女神に贔屓された形跡がある。その後スターシャ同様に、女神の気配を感じ取った神官たちから神殿侍女に召し上げられている。

 赤い魔力の持ち主


■糞司祭アシファナ

 悲しい中間管理職、教会の街スペンチアで中央教会を任されている。衛星都市での聖女召喚の儀が成功した事と、聖女失踪の情報をいち早く得る。聖女探索を任せた4人組の暴走で、椿の心象を最悪にしている。スターシャとポーシャを神殿侍女に召し上げるよう進言した。神都で捕まえた椿に手かせ足かせを施したが、この件で大司教から大目玉を食らっている。

 青色の魔力の持ち主


■商隊護衛の頭

 熟達の冒険者、世話好き。教会の街スペンチアから神都まで、椿を馬車で運ぶ。実力は申し分ないが、ほぼ護衛の仕事しか請け負っていないようだ。

 青色の魔力の持ち主


■薬屋のおじいちゃん

 イリヤ・ロムトス、ロムトス国の先王さま。

 隠居の身で、好き勝手に薬屋を営んでいる。護衛のしやすい、神都の高台の端に用意された屋敷に暮らしていた。いつも口うるさい護衛達が、椿の侵入を簡単に許してしまった。その事に不快感を表したが、椿は黒髪に対する反応だと誤解している。

 教会の聖女捕捉を嗅ぎつけ、幽閉先に現れた。聖女が、錬金術に明るい椿であったことを好機とし囲い込む。後進を育てるのが上手なようで、処分待ちであったアシファナを始め、スターシャやポーシャを椿付きに取り込んでしまった。

 神殿勢力とは予算を巡って喧々諤々とした関係である。そんな神殿勢力に沢山の手勢を忍ばせている、情報収集に抜かりはない。

 緑色の魔力の持ち主


■白侍女シェロブ

 女神を偏愛する人、白色に執着する。教会関係者ではあるが、白色の魔力を持つ椿を女神の顕現だと思い込み、付きまとうようになる。椿付きになったのは後付けである。

 青い魔力の持ち主で、白色に限るが個体を通り抜けることができる。また、小物であれば白色から白色の場所へ移動させることもできる。ここから更に昇華させた固有魔法を持ち、同じ意匠のある壁であれば離れていても1枚のように通り抜けることができる。

 元は貴族付きで、護衛から物騒な仕事まで熟している。短剣術はこの頃に培っていた。


■イオシキー大司教

 ロムトス国内で女神を奉ずる教徒達のトップ、とても苦労人でイリアおじいちゃんが現役の頃は犬猿の仲であった。ただ、職責を離れれば酒を酌み交わすほどは仲が良い。女神の顕現たる椿の囲い込みに失敗したが、それでも支援は惜しまなかった。

 椿を孫可愛がりする。最初から味方だった唯一のヒトでもある。

 緑色の魔力の持ち主


■真面目系クズ王子

 ヴィクトール・ロムトス、第2王子で衛星都市フーリィパチで聖女召喚の儀を執り行った。召喚の儀そのものの成功の栄誉と、おっぱいに夢中で椿を逃す失態を同時に見せた。椿のおおよその年齢を知ってから塩対応に切り替えたため、椿からクズ認定されている。

 青色の魔力の持ち主


■イカレ王様

 フォールガ・ロムトス、渋王様でとってもフランク、椿を口説く。王妃の名前は不明。そもそも紹介はなかった。

 青色の魔力の持ち主


■糞王子

 アレッサンドロス・ニジニ、ザ・糞。

 ニジニの第二王位継承権を持つ。嫡子なのに王太子じゃないとかウケる。(椿談)


■ニジニ王

 アミダス・ニジニ、ニジニ国の現王。リミツァーナ妃がいる。善人ではあるが、子育てには失敗している。

 黄色の魔力の持ち主


■イケメン眼鏡マーリン

 当初の魔力の色は不明、鑑定の固有魔法を持つ。

 女神が収める異世界で最も古い国ニジニの膨大な図書に余すことなく目を通している。城には王が変わるたびに士官しており、100年以上は滞在していると思われる。古代の魔法に興味があり、純粋に国の人々の生活向上に利用しようとしていた。古代人が失敗した霊脈に干渉する魔法も、自分なら害なく扱えると考えていた節がある。

 男神側から呼び出された勇者であるため、マーリンの行った行為はすべて裏切りである。

 黒色の魔力の持ち主


■耳長の案内人ケレブスィール

 大樹の森、神都の座敷牢と、2度も椿を襲った(?)

 ほとんど良いところなしに物語からフェードアウトしている。

 青色の魔力の持ち主


■総髪おじいちゃんアレフ司教

 ニジニ大陸での女神教を総括している。

 ロマンス・グレーの総髪で、引退した剣豪みたいな雰囲気の人物、声がデカイ。

 黄色の魔力の持ち主


■弟殿下

 フリードリッヒ・ニジニ、ザ・完璧超人である。

 赤い魔力の持ち主、カザン並の胆力と、マーリン並の頭脳を備える。若いだけあって、未だ発展途上ではある。


■オリガ嬢

 オリガ・イワノヴァ、ザ・糞の元婚約者、現在は弟の婚約者となっている。

 傲岸不遜の糞を嫌い、優柔不断の弟も嫌っている。自立心が強い。国母として責務を全うしようと努力は惜しまない反面、そこに夫婦仲は必要ないと思っている。

 最後まで旅を同行し、その間の弟の立ち振る舞いを見て、少しは見直したようだ。


■ノッポ、チンチクリン

 オリガの将来の侍女、すでに実務レベルに達している優秀な娘たち。ノッポがエルサ、チンチクリンがソフィーリアと言う名前である。(家名までは考えてなかった)

 ともに、黄色の魔力の持ち主


■魔王のおっさん

 霊穴で度々妨害を行ってきた守り人の中の人で、男神が呼び出した勇者である。その使命は霊穴に近づくヒトを遠ざけること。

 真面目に使命を果たそうとするも、霊穴にはすでに亜人がひしめいていた。そのため、世界にある霊穴の場所だけは把握しようとした。

 本名は清水主水もんど業綱なりつな、割とエリートな武家であった。


■魔女グラディス

 椿の先代にあたる聖女、300年前に召喚された。

 ウェールズ人。現代で言うオタクで、魔法使いに憧れていた。異世界に魔法が存在した事にことさら喜び、進んで責務を果たそうとしていた。霊穴に亜人がひしめいているため当初は何もできなかった。(空を飛べるため殺される心配はなかったが)

 主水と出会い、互いの利害が一致、行動を共にするようになる。

 魔法陣を開発し、自身が居なくても発動し続ける魔法を実現した凄い魔女である。すべての霊穴に魔法陣が書かれた石版で蓋をし、傍らに瞬間移動の起点となる石版も設けた。

 南大陸の勇者を封じようとしたが、自身が異世界に閉じ込められてしまう。


■勇者・茜

 山田茜、高校3年生、椿と同じマンションで上の部屋に住んでいた。

 通常、女神が呼び出すのは聖女で、間違って喚ばれた茜が黒色の魔力を持っていたのは偶然である。彼女の固有魔法は「魔法創造」的なもので、国民的RPGの呪文を参考に魔法を編み出していた。「勇者なら雷の魔法でしょ」

 魔力量はカザンを越えず、シェロブを上回るほど。

 BMI指数30弱であったが、旅の終盤には10台前半まで絞っている。父親はイタリア人だが帰化の際に配偶者の山田姓を選択していた。将来の夢は調理人で、父のレストランを奪うこと。


■男神

 イアリーロ、月を司る。本編には名前は出ていない。


■女神

 ラーダとレーリアの二柱、太陽を司る。

 椿を見出したのがラーダ、召喚を行使したのがレーリアと思われる。椿を癒やしたのがラーダ、ギャーギャー騒いでいたのがレーリア、双子ではあるが性格は似ていない。

 ラーダが召喚の基底を築いたが、レーリアが行使した際に対象となったのは茜であった。椿を取りこぼさなかったのは男神の介在があったからと思われる。


■聖女・椿

 橘椿、都内でITエンジニアとして働いていた。

 なぎなたの競技で日本一に至ったことがある。祖父から武道全般、祖母からなぎなたを教わった。

 異世界の魔力を「気功」と解釈し、無限の魔力と身体強化魔法を会得する。魔力を体外に放出する系統の魔法を身に着けなかったため、無限の魔力は実質無駄になっている。心石に魔力を通し、個性という色を付ける魔法の発現の仕方であったため、色のない椿の魔力は他人が使うことができた。後半は、魔力供給マシーンとして活躍する。(不本意)

 異世界人には女神レーリアと瓜二つに見えるそうだが、お互いに否定している。多分、性格もそっくりだと思う。

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チートを貰えなかった召喚聖女は帰りたい 積網彦 @T3_y6XmE

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