エピローグという名の解説

 最後までお読みいただきありがとうございました。


 作者は時系列順に投稿したのですが、時間の神様クロノスがいたずらをして順番を入れ替えてしまったようなので、ここに時系列順にストーリーを記します。


 仕掛けたリンクにどのくらい気づいていただけたか……。



【Monday】

🕛 12:00

カフェ店員の相沢初月はチンピラ風の男・井口栄一が注文したアイスコーヒーを宇野次美たちに出すというミスを犯す。それがきっかけで栄一から「生きるうえで大切なこと」を教えてもらう。次美は年下の彼に妊娠を知らせる。彼は動揺して店員の長谷川真純とぶつかり、グラスが割れる。


🕒 15:00

適応障害で休職中の会社員・小口恵三は、営業時代の顧客である小野と飲む約束をしている。店に向かう途中で、次美たちとすれ違う。小野との話の中で、小野の娘の陽子が病気で入院中だと知る。小野に言われたことを、気になっていたブログユーザーのYoko_Oh_No(小野陽子)に伝える。店主夫婦は口喧嘩で「ガス漏れが起こるかもしれない」と話をしている。小野は娘が結婚して名字が変わったら荻野目陽子になるかもなと冗談を言う。


🕕 18:00

栄一と加賀谷幸四郎がスペイン・バルで警官の源川のことを思い出す。幸四郎は明日競馬のレースがあると言う。一方、栄一は幸四郎に「ええことをせなあかん」と諭し、カフェの店員(初月)に「生きるうえで大切なこと」を教えたと話す。幸四郎はさっそくいいことをしようと、目の前にいた大学生の「僕」のために打ち上げ花火を手に入れてあげる。そして、アヒージョを二つ頼む。


🕘 21:00

大学生の「僕」は公園でラジオを聴く。ラジオのDJは今朝はすごい雷だったと話す。「僕」は療養中の彼女である小野陽子に向けて「Rainy Days and Mondays」をリクエストする。陽子も同じ曲をリクエストしていた。その偶然に涙し、眠ってしまった「僕」を源川が起こす。「僕」は陽子の誕生日にあわせて幸四郎からもらった花火を打ち上げようとするが、うまくいかない。同じ公園で酔いを醒ましていた恵三が自分のライターで火をつけてやり、無事に花火は打ちあがる。



【Tuesday】

🕛 0:00

「俺」は同僚の次美に呼び出され、スペイン・バルで飲むことになる。そこでアヒージョをを二つ頼むと、店員が「またか」と言う。突如、打ち上げ花火が上がる。次美は妊娠していること、相手は年下の男であることを「俺」に知らせる。次美はタクシーで帰り、「俺」はネットカフェに行く。


🕒 3:00

タクシーの運転手は次美を乗せる。車内のラジオでは昨日の朝はすごい雷だったと話している。小説家志望で新聞配達のバイトをしている大学生「僕」のラジオメッセージを聞き、次美と運転手は夢について語る。ラジオから「Ruby Tuesday」が流れる。その後、運転手はガス会社の緊急車両を妨害するチンピラに絡まれ、暴行を受ける。


🕕 6:00

幸四郎は栄一の「いいことをしろ」という教えを守ろうとゴミ拾いに向かう。しかし、チンピラとタクシー運転手のいざこざに自ら首を突っ込み、危なくなったところを警察官の源川に助けられる。交番で源川と話しているなかで、いざこざのきっかけがガス漏れであることを知る。若い巡査は近所の店にガス漏れに注意するように伝えに行く。ネットカフェで財布の盗難に遭った「俺」が交番に現れる。


🕘 9:00

店員の真純は店が混んでいるのが競馬のせいだと気づく。店内では、ガス漏れ騒動の隙に病院から抜け出した陽子と新聞配達のバイトを終えた大学生の「僕」が花火や小説の話をしている。若い警官がガス漏れに注意するようにと言いに来る。次いで、陽子の父親の小野が姿を見せる。小野は陽子を病院に連れ戻すが、その時に「僕」に話しかけ、「名字が荻野目でなくてよかった」と告げる。「僕」は前日に真純が割ったグラスの破片を踏む。



切れ間なくらせん状に続く、大都会・東京の風景。





——Crazy Tokyo in Spirals(CTiS) <了>

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クレイジー・トーキョー・イン・スパイラルズ / Crazy Tokyo in Spirals(CTiS) Nico @Nicolulu

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