第3話

それが始まった時期は正直はっきりとは覚えていないが、気づいた時にはもう「あの人」のことで頭がいっぱいだった。

自分でもどうかしていると感じたこの気持ちは、本来普通であるものだが自分は最早『普通』と呼べるものでは無くなっていた。

気づいた時には気持ち悪さでいっぱいで、何度顔を洗ってみても、それは拭えず依然として自分の頭を支配していた。



苦しい。



と同時に止まらなくなる好きの気持ち、吐き気、愛情、涙、微笑み。

自分がおかしくなっているのは分かっていたが、それを止められない、受け入れられない、自分がとても怖かった。


この日からずっと、私は変わらない。

毎晩毎晩魘されて毎日寝不足。

私はきっとこのまま変われないのだ、と確信している。

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フスキスキーと、鏡 点灯モドキ @tenntou_modoki

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