誰も知らない終わり

「お兄ちゃん、ここどこだろ?」

キョロキョロと周りを見回す少女。

「知るか」

顔をしかめながら、やはり周りを見回す少年。

チラと胸に下がったタグに目をやって触れる。

少し離れたところを歩く女性2人が「あの子カワイイね」「近くでイベントやってたっけ?」と話しながらすれ違っていく。

「ここってお母さん達が言ってたとこ?」

人の流れに合わせ、道の端へと寄る。ちょうど信号が変わり、車が走り出した。

「金属の箱に黒い輪が付いて動いてる」

「お父さんやお母さんがいたとこみたいだな」

また周りを見回して感嘆の声をあげる。

「ふわー、すごく高い建物ばっかりね」

「あんまキョロキョロすんな」

そう言いながら妹の腕を引っ張り、2人は人波の中へ消えていった。

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わかれうたを聞きながら 一日あい @hitoka-I

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