勇者
三原みぱぱ
第1話 運命に逆らう者
俺は勇者だ。
今、一人で魔王の前に立つ!
俺は勇者だが誰かに作られた勇者ではない。
普通の武器と防具、仲間はみんな脳筋のファイターのみ。
しかし、これまで数々の過酷な運命に逆らい続けてきた勇者だ!
小さい頃、俺は両親に捨てられ、孤児院に預けられた。しかし俺はそんな辛い運命に逆らいすぐに孤児院を逃げ出し、俺は同じような子供達を集めて力を合わせて生き抜いた。
その後大きくなった俺たちのグループは街の大人たちに目をつけられた。他のみんなは大人に屈したが、俺はそんな運命に逆らい一人で旅に出た。
一人で冒険を続けていくうちに信頼できる仲間が出来た。その仲間にも報酬のことで揉めて裏切られた。しかし俺はそんな運命に逆らい他の仲間を見つける。
俺たちはあつい友情に結ばれた仲間達だったがこの魔王の前に一人また一人と倒れ、とうとう俺一人だけになった。この強大な力を持つ魔王にたった一人で立ち向かわねばならない過酷な運命に逆らい魔王を倒してやる。
「なあ、勇者とやらちょっといいか?」
魔王が話しかけてくる。世界の半分をくれると言う話か? とんでもない! そんな運命には逆らってやる!
「今、過去見の鏡を見てるんだけどね。はじめの孤児院の件だけど、あそこ国一番の評判の良い孤児院だよ。それに君はその日に抜け出したけど、次の日に後悔した両親が迎えにきてるんだけど」
「は? 何をバカなことを言っている」
そんな戯言信じれるか!
「その後の大人たちは街の真っ当なギルドの人たちでその後、君以外ちゃんとした職について家庭を築いてるけど」
「あいつら幸せにやってるのか?」
思い出して涙が出そうになる。
「その次の報酬の件で揉めたって言ってるけど、君は貯金してる?」
「貯金なぞ冒険者に必要ない」
「やっぱりね。保険も入ってないでしょう。将来を心配した仲間がパーティ貯金とパーティ保険をしようって言ってくれたのを誤解して飛び出したんでしょう」
「うるさい! 魔王の言うことなんて信じない!」
俺はだまされるものか!
「確かに僕は魔王って呼ばれてる。魔法使いの王様で魔王。魔法使いギルドの長だけど? 国からもちゃんと承認されてるギルドだよ。はい、ギルド証。君たち勝手にギルドに入ってきたから捕まえて警察に引き渡したけど取り調べが終われば解放されると思うよ」
魔王は取り調べされている俺の仲間を空中に映し出した。
「へ!? 魔法使いギルド?」
「そう、入口の看板読んだ?」
「いや、俺たち文字が読める奴いないので……すみませんでした」
どうやら俺は勘違いをしていたようだ。
謝る俺に魔王は言った。
「そうそう、一番大事な事を教えておくよ。運命は逆らうものじゃなくて、味方につけるものだからね」
勇者 三原みぱぱ @Mipapa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます