魔物の巣窟
【表現】[]内は補足情報
【表現】()内は口に出さない考え
フルクリント王国のヒノ・ムニエ王から呼び出された
コルテン部隊の出発準備を行っていたハークレイはヒノ・ムニエ王から紹介された協力者、トレティ教会の
(トリステン教会の
動かせるコルテン部隊五十名やアンヒシャスと共に王都クリンフィートを出発したハークレイはフラシル地方の都市アルセンへ向かった。
都市アルセンでテルモンテ侯爵と面会したハークレイは魔物調査を行っているシャホレーの気難しい性格を告げられて『彼の希望を奪わないで欲しい』と頼まれた。
『可能な限り』という前提を告げながら了解したハークレイは都市アルセンへ送られていたシャホレーの報告書を読んでアンヒシャスと共に状況の整理を行った。
報告書からは
『
『
『
などが分かった。
テルモンテ侯爵から援助を受けて物資の補充を終えたハークレイは調査拠点のナイシェ村へ向かいリア山地方面へ馬車を走らせた。
過去にシャホレーと面識があるアンヒシャスからシャホレーの詳細な人物像を知ったハークレイは協調性に欠ける人物を相手にする良い方法を想像しながら馬車に揺られた。
ナイシェ村で合流したハークレイたちはネクローネ戦士団長ソリエスから歓迎された。
ソリエスから現状の説明を受けたハークレイは負傷者が出て戦力が低下したネクローネ戦士団は目撃数が増えて活動領域も広がっている
山を下りた動物たちの対処に追われる影響で調査の進捗も良くはなかった。
(『
シャホレーは冷静な判断が出来ていると分かり安心したハークレイはシャホレー、ソリエス、アンヒシャスと共に調査の計画を立て始めた。
球状に広がる
ナイシェ村に拠点を置く調査団は
ここ数日はナイシェ村に
昨日、目撃された
ネクローネ戦士団に近接戦闘を任せると想定して鉄砲部隊を動かせる分だけ連れてきたハークレイは小さな
荷馬車に積まれた潤沢な弾薬はソリエスたちを驚かせた。
この日は準備と休憩に使いコルテン部隊が加わる最初の調査は翌日から行われる事になった。
翌日、調査の為にティムラ山に入ったハークレイは動物の姿が見当たらず気配すら感じない不気味な森林に驚いた。
ソリエスから告げられていた『調査を始めてからも多くの動物が山を下りている』事を思い出して
急な斜面を避けて緩やかな山道を歩く調査団は木に生い茂る葉の茂みから
木々の枝や草の茂みに隠れている
葉や草に隠れて監視する
ある方向から威嚇とも思える叫び声が聞こえると存在を誇示するように様々な方向から次々と叫び声が聞こえ始める。
茂みから飛び出した
仲間の惨状に脅えて木々の茂みから飛び出さない
鉄砲に脅えて逃げ出した
結果、近距離に
ネクローネ戦士団の状況を確認するためにソリエスの下へ向かったハークレイは負傷者は少なく矢の数や武具の状態も問題は無いと知り少しだけ安心できた。
火薬式の鉄砲で行った威嚇射撃で逃げ出した
小休止を終えて登山を再開した調査団は再び襲撃を警戒して緩やかな道を歩み始めた。
安全を優先して遠回りに歩み続けていたが真上に太陽が昇った頃、目的地の様子を確認する為に少数で丘へ登ったハークレイは推定身長が三メートルを超える巨大な緑色の
筋肉質ではない
リア山地付近の伝説を知らないハークレイは
『筋肉質な剛腕は根っこごと木を引き抜き、強靭な足腰で深い川を横断した――らしい』と語ったソリエスは『伝説では建築で活躍した描写しかない』と補足した。
『根を張った木を引っこ抜く腕力や軽々と木を運ぶ脚力』から戦闘力を考えたハークレイは
皮膚の色や顔つきなどが
皮膚が分厚くて人間を超越した重厚な筋肉[予想]を相手に生半可な刃物で致命傷を与える事は難しいと考えたハークレイは『
身体に見合った大きな顔には露出した目があり正確な射撃が出来るなら狙う価値はあると思ったハークレイは『ネクローネ戦士団に弓の名手は居るか?』とソリエスに聞いた。
『いるぞ』と肯定されて紹介された数名の弓兵の腕前を見たハークレイは目を狙う方針を固めた。
調査団の本隊は小鬼から監視されている事から全軍で奇襲する方策は行い難く正面から戦う方法に決まった。
近づいてくる
近すぎない程度に当たる距離まで
肉をえぐった弾丸は
痛みに悶える
揺れた地面で怯んでしまった調査団は同じ理由で動けなかった
視界を失う前に視認した敵の方向へ走り出した
身体と衝突した木々をなぎ倒そうと腕を振り回しながら動き回る
身体の彼方此方が痛み苦しむ大鬼へ向かって部下たちに投げさせた爆弾を起爆したハークレイは
大きな爆発音に驚いたネクローネ戦士団は『目の前に集中しろ!』と叫んだソリエスの言葉を聞いて
ネクローネ戦士団は作戦通り深追いしない程度に
『テルモンテ侯爵から爆弾の使用は許可されている』とソリエスに告げていたハークレイは(必要性を理解しても守るはずの森林を壊す行為に抵抗感を抱くのは当然だ)と理解を示した。
到着した目的地で調査団は三十センチほどの緑色に濁った球体を見つけた。
調査団と球体の間に群がり道を塞ぐ
邪魔な
コルテン鉄砲部隊へ射撃準備を命じたハークレイは徐々に何かを形成する緑色の粒子を観察していると
ハークレイはシャホレーやアンヒシャスへ説明を求めた。
『混沌期を研究した限り、魔物は自然の循環に存在しない。から動物の様に生まれ育たず、何かに作られていたと考えられる』と語るシャホレーは『あれは作っている所だと思う』と分析した状況を説明された。
目的の物を前に
(再び
シャホレーに
アンヒシャスから『球体が
『核を壊せば
『研究する為に壊すべきではない』と主張するシャホレーに『戦士たちを殺す気か』と怒鳴ったハークレイは『今までは知らないが今回の調査は一人で行っているわけではない。壊さず続けたいなら皆を説得してみろ』と語った。
シャホレーから反論はなく諦めたと認識したハークレイは球体に近づくためにコルテン鉄砲部隊の一斉射撃で
排除しきれなかった
人力では壊せない球体を壊す為に爆弾を投げさせたハークレイはネクローネ戦士団にその場から離れる様に指示を出した。
安全を確認したハークレイは爆弾を起爆させた。
球体が壊れると
シャホレーが持ってきていた
フルクリント王国を守るために調査に参加していたハークレイは正しい判断を行ったと自分の決断を肯定した。
断片的、魔法物語 ネミ @nemirura
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