第2話 はじめての彼氏

今ほどではないにしろ、昔から太っていた私。


そのこともあり、容姿には、全く自信がなかった。


それでも、好きな人はできる。


私は、『女』が苦手だった。


苦手だったからこそ、自分が女らしく振る舞うことも苦手だった。


心の中では、

『可愛くありたい』

『ステキな女性でありたい』

といつも思っていた。


学生のころは、少しでもキレイにと努力していた。


でも、ダイエットしていても、周りと比べると、自信がない。そして、当時、私の周りの友達は、可愛い子が多かった。


故に、私の周りの友達を好きな人が多かった。モテ女の多いこと。


『あっ、私が引き立て役だからか』


本気で思っていた。

ますます、容姿には、自信がなくなっていた。


そこで、初彼氏。


今でも感謝してる。


私を『女』として、見てくれていたこと。

私と付き合うことを恥ずかしがらなかったこと。


何より、その彼は覚えていないかもだけど、中学校で付き合って、一回別れて、高校で再度付き合い出すキッカケ。


それは、駅構内で、真っ赤なジャージを着てた姿。


列車通学だった私。


その彼の出で立ちに、

『やっぱり、この人が忘れられない』


そう思った。


クリスマスの日。


親友と、遠くの海を見に行くことを決意。

しかも、歩いて10キロという道のり。それを女子高生2人で、歩いていく。


途中、タクシーの運転手さんから、自殺に間違えられた!

そりゃそうか、だって、制服姿の女子高生が、人通りもないし、雪の降る海を見に行くなんて、非現実的だもんね。


やっと、海。

暗く、静かで、それでいて私を大きく包んでくれる。


『うん、大丈夫。気持ち伝えれる』


そこから、また、歩いて駅に到着。


そこから、1時間、私は気が気ではなく、ただ、気持ちを伝えることだけを考えていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

おデブな私がSEX好きな理由〜子宮体癌闘病日記〜 パワスポ @powerspot-accyan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ