あとがき


 なんの前触れも無く、その感情は下りてきました。「うーん、小説でも書こうかな~」と。誰かに触発されたわけではないような気がします。その感情を胸に下ろしたのは、自分自身でした。


 でも、思えば小さい頃から、自分で作ったキャラクターが自由に動き回る物語を考えることが好きでした。

 なので、うごくメモ帳などに出会った時は、とてつもないほどにのめり込みました。自分の中にある世界を自分の思うがままに形にできるのですから。自分で考えたキャラクターのイラストや、漫画をたくさん描きました。それはとても楽しい日々でした。


 しかし、そんなうごくメモ帳もインターネットの投稿サービスが終了してしまい、僕も誰かと創作を共有する機会が減ってしまいました。それでも、僕の創作に対する気持ちに変化はありません。Twitterをやっていたので、そこでイラストを描いてツイートをする日々が始まりました。


 そして、pixivなどの創作ツールも見つけ、僕は色々な創作の場を渡りました。数多くの作者様の作品を見ました。どの方も本当に素敵な語彙と想像力をお持ちで、とても感動しました。中には小説もありましたね。あ、もしかしたらそれらを読んで、僕も書いてみようと思ったのかもしれません。全然他人から触発されてますね……(笑)。

 それでも、やはりどこかに「なんとなく」という感覚があったことは確かです。でも、二次創作にしなかったのは、昔から続けてきた「自分のキャラクターで、自分の自由な世界」という考え方が好きだったようです。


 小説を書き始めようと思った当時、僕は高校一年生でした。まだ社会の全貌も分からない未熟な若者でした。そんな若僧が自分の価値観で作った物語を、多くの人々に受け入れてもらえるのか。そもそも見てはくれるのか。とても心配でした。

 でも、僕は勇気を出して書き始めることにしたのです。登場するキャラクターの性格などの設定、細やかなストーリー構成、文章上の美しい表現、考えるのがとても大変でした。なんせ、最初に書き始めたこの「タイム・ラブ」は恋愛小説ですから(ちなみになぜ恋愛小説にしようと思ったかは、書き始めた当時好きな子がいたからです……。こんな恋愛したいなぁって感じに、理想の恋物語を書いたようなものなので(笑)。


 この「タイム・ラブ」ですが、大きなテーマは「愛する者のために、人はどこまで本気になれるか」だと思います。


 満君と真紀ちゃんが互いを好きになったことは、まぁ運命だということにして(笑)、二人は一旦離れ離れになります。そこで満君はもう一度再会するために約84年間生き延びます。今考えてみれば、途方もない時間です。

 ですが、真紀ちゃんを愛する気持ちを力に変え、満君は生き延びてみせました。つまり自分の命を、人生を、愛する者のために捧げたのです。もしみなさんだったら、同じことはできますか? できないと決めつけるわけではないですが、とにかく愛する者のために本気を出せるかということです。


 離婚という言葉を聞くと、僕はとても悲しくなります。せっかく愛を誓い合ったというのに、なぜ自らの手で終わらせてしまうのか。まぁ、結婚すれば相手の思ってもいなかった一面が見えると、よく聞きます。相手の意外なマイナスな面も。

 しかし、そこを全て受け入れてこその愛でしょう。愛は何としても忘れてはいけません。愛する者とせっかく会うことができたのだから、僕達は互いを愛し合って生きていくべきです。互いのいいところも悪いところも、全て補い合って生きていくべきです。愛する者のために生きていくべきです。




 愛にできることはまだあるかい。

 もちろん、生きる力を与えてくれる。




 ……失礼。かなり宗教人みたいな言い方をしていますね。とにかく、愛はとても素晴らしいものであり、「その愛を持って、誰かと一緒に生きていくのも悪くないのでは?」と言いたかったんです。

 そういう思いを創作に込めて、みなさんに見てもらうのが僕の生きがいみたいなものです。もちろん、誰かを愛することもまた生きがいです。今度好きな子をデートに誘ってみようかな……(笑)。




 創作物には誰かを変える力があることを信じています。僕の創作を通じて、少しでも誰かを愛する素晴らしさを知ってもらえたら幸いです。もっとたくさんの方に見ていただくために、日々努力を重ねて参ります。どうかこれからも、ご愛読よろしくお願いします。




KMT


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

タイム・ラブ KMT @kmt1116

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画

同じコレクションの次の小説