甘露

 先輩の白い肌が俺の体を撫でる既にこちらも一糸まとわぬ姿となっている。わずかに赤らみながら近づいてくる先輩の顔、幾度となく見た顔であるはずなのにまるで別人のように感じる。なんというか、雌の顔だ。すでに目と鼻の先にまで近づいていた顔と顔はそのまま重なり、唇が重なる。伸ばしてくる舌を受け入れ、同じ様に舌を伸ばす。まるで体から分離し、別の生命となったかの様に舌が動き回る。こんな濃厚なキスは初めてだ。キスだけで達してしまいそうになる程体が高ぶっている。触れている先輩の肌が徐々に熱を持っていくのを感じ、同じ様に高ぶっていると思うと更に体が熱を持っていく。唇を一度離し、互いに深く息を吸う際に先輩と目があうのだが、彼女の目は普段よりも潤んでいた。多分、数え切れない程の感情が積み重なった結果の表情だろう。ホラー映画を見ている時も一切として怖がることの無かった先輩が見せるそんな表情に思わずどきりとする。雄の本能が体を駆け巡る。襲え、襲えと叫ぶ肉体を本能を咄嗟に理性が抑える。だって初めてなんだ。せめて濃厚な時間にしたいではないか。女々しい考えが一線を越えることを日和っいる。ぐるぐると回る女々しい思考が不意に止まった。自分の局部を柔らかい質感が包むのを感じたからだ。先輩がしびれを切らしたのだろう。自分の情けなさに涙が出そうになるが、先輩の柔らかい肌が局部を刺激する感覚に全身が襲われて何も考えられなくなってしまう。これまでに何度か自慰の際に道具を使ったことがあったが、そんなものは比じゃないほどの快楽だ。これまでにないほどの速さで全身に快楽が駆け巡り、破裂するかの様に白濁液が局部から飛び出した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夢幻の恋 @edomon

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ