11章:お仕舞に




 「「「元気でな、兄ちゃんたち。」」」


 鬼達の別れの声が重なる。


 「こちらこそ、勘違いをして襲い掛かる真似をしてすいません。」


 「また相撲しに来るからよ。そん時までな。」


 「俺は一度帰ってここに来る。乙姫、待っててくれ。」




 三者三様別れを済ませる。


 あの後、魍魎怪皇討伐の後、乙姫が竜宮城と鬼ヶ島を繋ぐ通路を解放したことで鬼ヶ島と竜宮城が繋がった。


 本当に同じだったんだな。あの場所。


 そして、乙姫は竜宮へ、鬼は鬼ヶ島で酒宴、浦島は一度帰って改めて乙姫の元へ、金太郎は武者修行。


 僕は、


 「鬼が偽物と解った以上。都に赴き、誤解を解かねばなりません。」


 魍魎怪皇なる物の怪が都で暴れ、金銀財宝を奪って鬼の元へ運んでいた。


 彼らは結局酒を呑んでどんちゃん騒いでいただけなので一切財宝に手を付けていなかった。気付いてなかった。


 結局彼らは無罪。


 なれば討伐の理由もない。訴状と返してもらった財宝で何とかしよう。








 「桃の兄ちゃんもまた来い。」


 鬼達は優しい。鬼退治の代名詞たる僕にこんなことを言ってくれるんだ。


 絶対に汚名をそそごう。










 「それでは皆さん。又。」






ここに鬼退治から始まり、犬猿雉の不参加アクシデント、金太郎、浦島太郎の出会い。鬼ヶ島での悶着の終末を一応伝えよう。

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英雄の三太郎 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika

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