第22話
碧衣side
稽古も終わり、昼餉の時間。朝より全然マシなよう。ま、朝餉、たべてないならなんともいえんけど。でも流石に昼餉は食べるか。
「い、いただき、ます。」
いや、勇気がいるな。ふぅ。まぁ、久しぶりに食べるご飯なのでちょっとソワソワするのも仕方ないと思う。そして俺は二三口手をつけたところでギブアップ。
「水樹?ご飯はしっかり食べましょうね?」
げ、山南さん…。
「い、いやぁ、食べてますよ?何言ってるんですか?」あははー、と笑うしかない。
「二三口手をつけただけですよね?たべなさい。」
「い、いや、これ以上食べると死にます。つか食事中悪いんすけど、吐きます。」
すると、隣で聞いていた沖田総司が
「ん、な!?それはホントですか?」
うるさいな。めんどくさい。食べなくても良くね?何が悪いんじゃボケ。
「あー、水樹。これからは食べる練習しましょうね?」
「うー、はぁい…。」
「ん、よろしい。」
そう言って頭を撫でてくれる山南さん。
落ち着く…。
「…。そ、そうだ。水樹くん。今日は町の巡察なんだけど、長州、つまり君を売ったやつみたいなのがゴロゴロいる。いたらできるだけ生け捕りだけど無理だったら殺していいから。」
あら、沖田総司、大真面目。
「わかりました。では、山南さん!行ってきます!」
「はい、行ってらっしゃい」
そして私はそそくさと出ていった。その時沖田総司たちが会話をしてるとは知らずに…。
「総司くん、どうしました?」
「いや、やはり山南さんには懐いているなと」
「私もそう思います。彼女のことちゃんと見てあげてください。そのうちほんとに死んでしまうかもしれません。私は彼女のこと娘のようにみているんです。」
「分かりました。山南さん。私、モヤモヤするんです。あなたと彼女が話していると。」
山南がニヤリとする。
「それは、なんででしょう。ただ、私は彼女に手を出すことはしませんよ。安心してくださいね。ただ、そのモヤモヤは考えていてくださいね?」
「うー、はい。では行ってまいります。」
そして沖田も外へ出た。
月華 琳 @Ranch
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。月華の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます