「スマホを持たずに一人旅してみようと思う」と旅に出る

 「旅、行こうって思うてんねん」


彼は言った。


その声に振り返ると、彼の向こうに夏空が広がっていた。青い、青い空に白い雲がぽかりと浮かんでいる。

なんて空は広いんだろう。


「スマホ、置いて」


スマホを置いて?

私は驚いて体の向きを変えた。


不便やで?

調べたいこと、すぐに調べられへんで?

迷子になるかもしれん。

空き時間、潰すの大変やで?


ほんまに置いていくんか?スマホ。


彼は立ち上がって、青々とした草が揺れる外へ走り出した。


「スマホ、置いていくねん!」


風が彼を包んでいる。

髪が風になびいている。

笑い声まで風にさらわれて、あちこちから聞こえる。


そうか、彼は自由だ。


なんて軽やかなんだろう。


ほら、彼の後ろ姿。

羽根が生えているようだ。


彼は2022年7月26日に島根に旅立つらしい。

さあ、私たちもブクマをして、彼を追いかけよう。


作者 水汽 淋


「スマホを持たずに一人旅してみようと思う」

https://kakuyomu.jp/works/16817139555983921559

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

麒麟屋の読んだ作品の本棚 麒麟屋絢丸 @ikumalkirinya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ