Bloody Wedding【二人声劇台本】

レイフロ

【男1:女1 狂気系台本】

【所要時間目安:10分以内】

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これは、狂気な二人の出会いの物語。


小さな国々が領土を取り合い、争いが耐えない時代。

政略結婚を迫られたヴィンセンティア王国の王子は、婚約者である隣国の姫君と初対面を遂げる...。



【人物紹介】

王子♂

ヴィンセンティア王国の第三王子。戦争が何よりも好き。本名:ウィル・エイリアス・ブルームフィールド。


姫♀

ヴィンセンティア王国の隣国の姫。赤が好き。



↓生声劇で使用時の貼り付け用

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Bloody Wedding

作者:レイフロ

王子♂:

姫♀:

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以下、台本---------------------------------------------


王子N:「小さな国々が領土を取り合い、争いが続いていた。昨今さっこん、各国のパワーバランスは拮抗きっこうしており、睨み合いが続いている。そんな状況からいち早く脱却するため、ヴィンセンティア王国の国王は、まことしやかに隣国との同盟の話を進めようとしていた。若き自国の王子と隣国の姫が結婚すれば、国力も兵力も領土も二倍。」



姫N:「この話は、政略結婚を迫られた王子と姫の出会いの物語。」



王子N:「ヴィンセンティア王国に密かに招かれた姫は、部屋に入るなり王子の側に立つ従者の腹を短刀で刺した。あまりにも自然な動き、にこやかな表情。刺された従者はただ目を見開いてその場に崩れ落ちた。

流れ出したばかりの血が、ゆっくりと絨毯の繊維を染めていく。その様子をジッと見つめている姫のうつむいた顔には、長いまつげが影を作っていた。」





王子:「死体を見つめるあなたの長いまつげは、本当に美しい。」



姫 :「それなら私のまつげと結婚すればいいわ。」



王子:「はは・・姫様も冗談をおっしゃるのですね。」



姫 :「それよりもっと言うことがあるのではなくて?」



王子:「あなたが私の従者を突然刺し殺したことですか?代わりならいくらでもいますので、どうぞお気になさらず。」



姫 :「驚かないのですね。」



王子:「あなたの真っ赤なドレスからは、微かに血のニオイがしましたから。」



姫 :「私ったら・・・恥ずかしいわ。ごめんなさい。ここに来る直前にも人を刺してしまいましたの・・・きっとその時の返り血ですね。」



王子:「よいのです。血のニオイはもはや私にとっては香水も同じですから。」



姫 :「・・・あなたは本当にヴィンセンティア王国の王子なのですか?」



王子:「私の名は、ウィル・エイリアス・ブルームフィールド。ヴィンセンティア王国の第三王子ですが、“不幸なこと”に二人の兄は死んでしまいまして。今は私が第一王位継承権を持っています。」



姫 :「不幸なことに・・・ね。」



王子:「ええ、“不幸なこと”に。」



姫 :「今、周辺各国の力は拮抗きっこうしています。私たちが結婚し国が一つになれば、コトをすべて優位に進めることで出来るでしょう」



王子:「そうなれば、もっと大きな戦争が出来ます。」



姫 :「大国が相手ともなれば、交渉でも小さな国々は折れるところもありましょう。あなたはなぜ戦争をしたいのですか?」



王子:「交渉などという生易しいことでは、機を見て裏切られるのがオチです。武力で持って圧倒的な力の差を示しておかなければ、後が恐い。一見平和になってから起こる反乱など、国民たちにも不安が広がるでしょう。ですから、今戦争を起こすのは『真の平和を築くため』・・・ですよ。」



姫 :「プッ・・・ウフフ。あなたも冗談をおっしゃるのね。」



王子:「はは、面白かったでしょう?」



姫 :「ええ。平和のため、国民のため、だなんて。ウフフ。あなたはただ、人を殺したいだけだわ。」



王子:「そうです。それも一人や二人じゃない。山ほどです。」



姫 :「恐い人ね・・・。」



王子:「あなたが言いますか。私の従者を突然刺し殺しておいて。」



姫 :「正直なところ、このお部屋の絨毯の色が好きではなくて・・・。私は赤が好きなのです。ですから、つい。」



王子:「つい、で人を殺すのは頂けませんよ、姫。」



姫 :「お父様は従者ならいくらでも殺していいとおっしゃったわ?」



王子:「国王様は姫君に甘くていらっしゃる・・・。」



姫 :「でも他国の従者を殺したことは反省していますの。本当にごめんなさい。許していただけるかしら。」



王子:「いいのですよ。私とあなたが結婚すれば、我が国の従者もあなたのものになります。」



姫 :「・・・そうですね・・・」



王子:「私が夫ではご不満ですか?」



姫 :「いいえ、あなたがどうこうというわけではありませんわ。ただ私は・・・生きている人間が大嫌いなの。」



王子:「そうですか・・・。それは・・・妬いてしまいますね。」



姫 :「え・・・?」



王子:「あなたは先ほどからずっと、死んで床に転がっている私の従者から目を離さない。」



姫 :「それは・・・。だって、ごらんになって?この男は死んだのに、血はどんどん絨毯を伝って広がっていく。もう動かないのに、死んでいるのに、まるで生きているみたいにじわじわと血液だけが広がって・・・美しいと思わない?」



王子:「血の流れる温かい死体がお好みなのですね。」



姫 :「ええ、そうよ。」



王子:「では今度の戦争はあなたのために起こしましょう。」



姫 :「私のため・・・?」



王子:「乾いた荒野が何万という人の血で潤う様は圧巻あっかんですよ。」



姫 :「・・・っ(顔を上げる)」



王子:「ようやく私のほうを向いて下さいましたね。」



姫 :「あなた・・・目が・・・」



王子:「なにか?」



姫 :「ウフフ......まるで死体のようなその漆黒の瞳に一体何を宿しているの?ウィル・エイリアス・ブルームフィールド王子。」



王子:「どうか、ウィルとお呼びください。」



姫 :「・・・ウィル・・・」



王子:「我が姫。むせ返るような血の海で、結婚式を挙げましょう。純白のウェディングドレスがじわじわと血を吸い取り、真っ赤に染まった時、あなたは死に包まれる・・・。」



姫 :「ああ、ウィル・・・とても素敵だわ!」



王子:「共に、無意味で、無慈悲で、残酷な殺戮を。」



姫 :「死が二人を分かつまで。」



end.


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作者:レイフロ

ツイッター:@nana75927107

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