第4話 転生4

 村人たちを埋葬したその夜、俺は夢の中でまた四角い部屋に来ていた。以前と変わらず何もない部屋。しかし、そこには先客がいた。白いローブを被ったシルエットの女が……。


「やっといらっしゃいましたね。お待ちしておりました」


 そう言うと女は席に座ることを促した。


「前回は時間がなくて説明することが出来なくてすいませんでした」


 一体何の説明なのか。


「前回私が言ったじゃないですか。『汝に「元素魔法」を授ける』って。忘れてしまいましたか?」


 あぁ、あのことか。てっきり俺の中二病心からくる空耳かと思ってたよ。それよりもあの渋い声はあなたが出していたんですね……。


「じゃあ、説明を始めますね」


 説明はとても分かりやすかった。こちらが興味のあるもの、分からないものはここぞとばかりに丁寧に説明してくれた。

 説明されたのをまとめると『元素創り放題』『転生者特典付き』の二つだ。

『元素魔法』は名前の通り元素を操る魔法だ。元素を自由に創れてそれを操作することができる。もちろん既存の元素も操ることは可能だ。そして何より、新しい原子を創り出すことができる。

 転生者特典は『生命力増加』『保有魔力増加』『回復力強化』『脳内世界辞書アカシックレコード』などなど。転生者がすぐに死なないような特典ばかりだ。そして一番の目玉は『半不死』。十六歳、成人になるまではいかなることがあろうと死ぬことはない。そしてこれは一種の呪いだ……。


「そろそろ時間ですね。またあなたに会えることを願っています」


 そしてだんだんと俺の意識は薄れていった。

 

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異世界転生の元素使い《エレメンタラー》 因幡 天兔 @Rabbit_usagi

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