LOOP THE LOOP!!! - ⑥

★被害者ばかりのエピローグ



結局後藤が到着したのは三時八分。

俺は到着時刻を初めて知った。


「いやあ早いね、二人とも」

「お前が遅い」

二人は練習したかのように、息を揃えて言う。


「おー二人とも息ピッタリだ」

悪びれないところがこいつらしいのだが。


「なにか言うことがあるんじゃないのか」

「はて、なんでしょう」


そうかい、そういう態度をとるのか。

こっちは大変だったんだからな。


「三時十分前と言ったのはお前だ」

「ん? 三時十分より前だけど」


まるで準備してきたかのような回答。



俺はようやくそれで気が付いた。

こいつ――図ったな。

二人きりになることを。

こうなることを。



俺は肩を落とすと、一つため息をついた。

「負けたよ」

「――それで? どうだった?」



小葉瑠が真っ白な歯を見せて答える。

「んー、だいたいばっちり、かな」

だいたい、な。



俺は腕時計に目を落とす。

次のバスが来るまでおよそ二十分。



ふと視線をずらすと、三つ並んだ影があった。

いつかはこうじゃなくなるかもしれない。

でも今は。

その影たちはどこまでもはっきりとした形を描き、楽しそうに重なり合って、揺れていた。

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LOOP THE LOOP!!! 西秋 進穂 @nishiaki_simho

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