"うぎゃー"子供の姿で異世界に捨てられた。(でも安心安全です、僕にはナビゲーターさんが付いています!!!)

@sakeezuki

第1話 オレどうなるんだ???

 「えっ!!!・・・・ナニコレ」

オレの見渡す限り木ばかりじゃないか!!! 


何で、オレ終電乗って家に帰ってたよな!!!なんでこんなとこインダヨ!? 

 風が木々の間を走り抜け、枝を揺らしザザザザと葉を鳴らし何羽かの鳥が、ギャギャギャと鳴いて飛び立った。 

翔は、怖くて首をすくめた。「こえーよ、どうなってんだよ!!!え!!!この声何だよ、オレの声じゃねえよ!!!目線が、低いよ!!!背がちじんでるじゃねえかー。」

 「オレどうなるんだ???」

 

 翔が、パニクって腰が抜けてへたり込んでいると頭の上から「お待たせしました、翔さん、手続きに手間取ってしまい遅くなりました。私が、こちらの世界をナビゲイトする精霊です。こちらの世界のことはお任せくださいね。」 

    「ハアアー」

 翔は、完全にびびってしまい、抜けた腰で逃げようと後ろへ這いつくばってズリズリと下がっていった。翔、曰わく「だって、この人、体が透けてるよ!!!お化けだよ!!!」漏らしてないだけほめてくれ。


 精霊は、その姿を見て、ああやらかしちゃた、どうしようと営業スマイルを顔に貼り付け考える。

 とりあえず話かけなければと「翔さん、怖くないですよー。貴方の為の精霊ですよー。神様が、用意したこの世界をナビゲイトする精霊ですよー。」とゆっくりと優しく語りかける。

 「ほんとうに、お化けじゃないの???」と震えながら翔が聞くと。

 「違います、これでも上級精霊ですよ、足だってありますよ、ほら~」と足を見せてくる。 

 「ほんとうに信じていいの?」と翔が、震えながら聞くと。

 「神様に誓って信じて下さい」と答える。

 「わかった。信じる。でもちょっと待ってね、腰が抜けて立てないんだ。」

 「何か手助け出来ますか???」

 「要らない、それより状況の説明をお願いしてもいいかな???僕が覚えているのは、帰宅途中までで、それからいきなりここに居て、身体が子供になってた。」


 ハアー良かったぁー、落ち着いてくれたみたいですね。

 「では、ご説明します。記憶のなくなった時点から、こちらに現れるまで翔さんは、神のもとにおられました。そこで、今回の翔さんにご迷惑をかける事になった案件の詳しいご説明を受けておられます。その内容は、多分に禁忌の内容を含みますので説明の後、翔さん納得の上で記憶を神の手により消されております。またお身体のことですが、10歳の身体となっております。」

 「うぎゃー、僕37歳だったのに、27歳も若返ったよー。喜ぶべきなのかなぁー、でもなぁーこれから第2成長期に反抗期を迎えるのかー、うざいなぁー、僕、大概生意気な子供だったからなぁー。ねー何で、こんな歳にしたの???この先、精神的に不安定になって扱いにくくならない???」


 「鉄は熱い内に打て、と云うことわざがありましょう。そのことわざのとうりです、この世界、アウルでは魂を鍛える術があります。その術とは、魔物を狩り、それにより得る経験値によって魂を鍛えるという術です。魂を鍛えることで魂のリソースが増え今ある才能が伸ばせ、新たな才能を開花させる下地が出来ます。力ある親を持つ子供達は、7歳ぐらいから魔物を狩ります。もう、お分かりですね。」

 「了解、チャンスを貰えたってことね。頑張ってみるよ。」

 「はい、あなたの魂もお身体も飛びっきりのものです。頑張って下さい、ご一緒いたしますから。」まあ、神様は進化させること前提でしょうし、この先ゴブリン、オークを何十万頭と狩らなければいけないし、その後だって相当でしょうし、頑張らなくても成長して進化しちゃうんでしょうけど。


「よっこらしょ!、やっと立てた。ところで精霊さんあなたのお名前は???」

 「はい、現在、真名は有りますが、人に名乗る名を持ちません。ですが、この後、契約をしていただきその折、頂く名を持って名前とさせて頂きます。」

 「わかった、有り難うね、僕の何処に来てくれて。君に誇ってもらえるように頑張るよ。」それにしても美しいな、物語の精霊は、総じて美しいとなっているけど、いつわり無しだな。名付けか、うーん、ありきたりな名前になるけど彼女にはあっていると思うのでこれで行こう。

 

 「では、契約の儀式に移りたいと思います。」

 「わかった、手順をお願いします。」

 「はい、まず私が、神界に御座します神と、精霊界に御座します精霊王に対しこのたびの契約に対しての御許可を願います。その次に2人でキスを行い魔素の交換を行います。その後、両手をつないだ状態で名をいただきます。最後に2人にパスをつなぐ為の魔法陣を私が発動いたします。同時に2柱の方々から祝いの光の祝福をいただきパスが繋がり終了となります。ちなみに、どちらか一柱が反対なさりますとパスは繋がらずお流れとなります。ですが、今回は出来試合ですので、ありえません。」

 「聞いていたけど、アツアツの恋人同士とか夫婦とかでやる儀式だな!!!甘々だ。」

 「あながち間違っていません、私達だって甘々な儀式したいんです。」

 「いや、まあ、解るけどな。相手、僕じゃ意味ないよぅ、僕こんなだし。ね!!」なんか、この女の子、地雷臭するよなぁ。契約の儀式の話してた時

ハート目だったしな、37年生きてきたオレの感が言っている、契約マズくないかと、せめて時間を置けと。



 「謙遜なさらないで下さい。私、知ってるんですよ。」

 「え・・・・なにを???」

 「貴方が、凄い方だってことをです♥♥♥貴方は、お忘れでしょうけどね、神界での事も含めて、神様から全ての資料を頂いたんです。」


 資料は、まあいい。オレをナビゲイトするには必要だろう。だが、オレは神界でなに、やらかしたんだぁ。さっきから、冷や汗が止まらねー。今更神罰は、落ちねぇだろ。だが、嫌がらせぐらいはあるな!!オレが嫌がることの筆頭といえば、女に女房面されることと、ほかの女のことでとやかく言われること、これにつきる。現状では、可能性はあるがまだ解らん!!てとこだな。


 「ウフフ♥♥♥私、最初から最後まで、スミからスミまで何度も何度も何度も何度も何度も読み返したんです。」


 怖い聞きたくない。

 

 「暗記するまで、それで、この人かもしれないと想えたんです。私が、待って待って待って、幾星霜待ってやっと現れた。私だけの人♥♥♥♥」


 帰りたい、お家に帰りたい、怖すぎる。精霊だからか、思いが重すぎるだろ、ああ、そうかそうだな、こいつは精霊だ人間じゃない人間の男女の話しに口は挟めないだろ。なんせ男女の関係にはなれないんだからな、危ない危ない、思わず走って逃げだすとこだった。これで少しは、余裕を持って聞けるだろう。


 「それに、それに神様が、あ奴のことは私が、保証しよう。過去、現在、未来合わせて、あ奴ほどの男は居るまい。君も長きに渡り寂しい思いをしてきたんだ、この幸せを逃してはいけないよ。必ずあ奴を捕まえて幸せを掴むんだ、こんなチャンスは二度と無いんだ頑張りなさい!!!。て言われて、私、はい!!!二人で幸せに成ります。て答えて出て来たんです。」


 あかん、これはあかんやっちゃ、何処からどう聴いてもあかんやっちゃ、無理からにでも結婚に持っていこちゅう腹図盛りが見え見えや、こういうときは、三十六計逃げるに敷かずや。それにしても、神のヤローやっぱり噛んでやがったなぁ。しかも煽りに煽り捲っとるやないかぁ、今度おおたら覚えときさらせぇ三倍返ししたるさかいなぁ、糞たれー。

 しかし、どないして逃げたろかいなぁ。せや、子供の姿しとるし泣き落としでいこか。

 

 

       

 



 

 

 

 

 

 


 

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