2,925文字で読めるサクセスストーリー

端的に云えば、「献身的に尽くしていれば努力は報われる」というメッセージ性のこもったサクセスストーリーです。人は"正しい方向"に努力を続けることで成功を手にすることができる──そんな当たり前だからこそ、誰もが視界の隅っこに追いやりがちな事実をこの作品は真摯に教えてくれます。

この"正しい方向"に努力を続ける──というのがミソでして。「無駄な努力」なんて言葉がありますが、あれは何もその人自身の才能を否定するとか、努力そのものを無碍にしているわけではなく、どれだけ時間をかけたところでそもそも努力のやり方があまりに頓珍漢だったら無駄だよねというありがたいご指摘なのであります。

たとえばの話、「よーし、夏までに腹筋割るぞー! ワンダー〇ア買うぞー!」いや、腹筋割りたいならスクワットでええやろ、腹筋消費カロリー少な過ぎひん? とかね。努力の量もそれなりに大切ではありますが、真に望む結果に効率よく辿り着きたいのであればまず優先すべきはやり方の工夫。つまりは頭を使えということなのです。

努力をするにもまず「計略」が肝心だよ──ということをこの作品は読者に教えてくれるのです。

余談ではありますが、「嫌なことは飲んで発散しようぜ」は正直おすすめしません。アルコールは悲しい記憶を定着させる効果があると云われているからです。お酒は楽しい気分のときに嗜んでこそ。とはいえ、「僕」の立場を思えば、これもまた計略の一つかもしれない。お互いお酒が入っていたから、つい──。文字通り忘れられない夜にしたいのかもしれない。

さて、この十連休僕と友人は努力を重ねたわけですが、これから何を重ねるつもりなんですかねぇ(にやけ舌打ち)。