今更「魔法少女まどか☆マギカ」を観た話。

枕木きのこ

チラシの裏に書いているんで、あ、本当に、すみません。

 あ。

 アニメはうわべをサラーっと観る派なんで、まったく、考察とかはしないです。

 概要とかもごめんなさい、Wikipedia参照でお願いしますって感じです。


 ■


 ふいに暇になって「まどマギを観よう」と思い立ったのが一昨日の話。

 

 今は便利な時代ですから、こういったアニメとか映画とか、レンタルというステップを経なくても観れてしまうから素晴らしいですよね。

 ましてや私はHuluにもNetflixにもAmazonプライムにも登録しているので、ちょろいもんでした。


 2011年の放送で、その年だったかその次の年だったか、年上の知り合いに「とりあえず3話まで観ろ」と熱弁され、当時3話までは観ていました。

 観て、止めました。あんまりかも、と思ったのです。


 たとえば主要人物が死ぬ話と言うのは、今になってしまうとまったく珍しくもなく。こちらもまどマギと同時期ですが、ぼこぼこキャラクターを殺す「神さまの言うとおり」だったりも話題になりましたね。

 まあそれ以外にしても、結構あるわけですよね。最近に限らず。まん延している。ある種の様式美。

 

「今になってしまうと」とは言いましたが、つまるところ当時の私も、特段珍しいものにも思えず、「へえ、ああ、そうなんか」と思ったくらいでした。「ふーん」て。まあ「3話まで観ろ」と言われたらいろいろと期待してしまいますから、ハードルがむくむくと膨れ上がってドドンとそびえ立っていたわけです。あとは性格的な問題もありつつ。


 今回一日休みだったので続けて全話観たわけですが、まあ、やはりちょっと根気が要りました。本当に素晴らしいんかこれは、世の中で言われるほどなんか、とか生意気に思っていたもので。性格的な問題のせいで。


 観終わってからは、素直に考えを改めました。面白かった。と。

 そして、まどマギの優れているところは別に3話ではないなと思ったわけです。というか、3話まで観たところで、って感じですね。続き観たい! とはやっぱり思わないです。世評がどうかは知らないですけれども。最初から全部観るつもりでいないとたぶん挫けていました。


 結局のところまどマギは「魔法少女」というワードと、あの「萌え絵」とも言えよう作画でありながら、視聴者の想像する範囲外のことをやった、と言うのが、すごいところなんだろうな、と思うわけです。

「魔法少女」に「ループもの」と「シリアス」を混ぜた。もちろん、このシリアスというのは、展開全般、ストーリー全体のお話です。

「がっこうぐらし!」もこの系譜にいますね。


 もっとわかりやすいところだと「君の名は。」が流行ったのもそうだと思うんですよね。「青春もの」に「入れ替わり」と「時間軸のずれ」を用いた。掛け算というか足し算というか。そこへ新海誠の特徴ともいえるあの写実と、まったく別の人の作品みたいに見やすくなった人物絵があれば、まあ、そりゃあ流行るでしょうと。あそこまでべらべらと詩的で私的なことをモノローグで語るアニメも、多分、子どもたちには目に新しかった。大人ぶりたいしね。「天気の子」がんばれって思ってます。


 結局もうあらゆるものがあふれかえっているご時世ですから、人の感性は「普通」じゃ満足できなくなってきているわけです。麻痺している。ので、斬新(あるいは見せ方に捻りを加える)なことをすると関心が向く。


 異世界転生もののはしり(がどの作品かはまったく読まないので知らないですが)もきっとそういうところで人々の関心を獲得したのでしょう。


 ワンカット、またはワンカット風の映画とかが定期的に話題に上るのもこれですね。普通しないよ! っていう部分。


 えー! という驚きがずっと求められているわけですね。創作の世界では。

 今更過ぎる当たり前のお話ですけれど。でもそういう驚きがあるとやっぱり「面白いな」と思うわけです。私みたいな単純な人間は。


「ユージュアル・サスペクツ」然り「SAW」然り。どこかの展開で観客が「えー!」と思うと瞬く間に口コミが広がって、ずっと語り継がれるわけです。「イニシエーション・ラブ」とかもですね。


 とにもかくにも。


 2011年放送にも関わらずいまだにたまーに名前を聞くのは、そういう部分があるからなんだろうと思いました。

 あとは全12話というすっきり感のおかげもあるでしょう。

 ちゃんと3話置きくらいに展開がある。お手本みたいでした。


 


 ――それで、私がこんな薄っぺらーいエッセイなるものを初めて書いていたのは、本当はまどマギが素晴らしかった! とかっていう話ではなくて、まどマギでキャラクターデザインをしていらっしゃる岸田隆宏さんが、同じくキャラクターデザインをしている「ノエイン もうひとりの君へ」という作品が大好きすぎて、結局まどマギを観終わってからこちらを観直している、という話でした。

 しいて言うなら12話まで観てって言うか12話だけでも観てって感じです。12話だけ観ても意味わかんないけど。


「切り札はフクロウ」のお題の時にどれだけノエインの話をしようとしていたか。


 小難しい技術の話はアニメでも映画でも小説でもよくわかりませんが、結局観る人ってみんなそうですから、単純に「おー、やべー、すげー」って思わせられる作品って言うのは、すごいですよね。



 そんな「エッセイ」×「眠気」×「有名作品」のお話でしたが、しくじりました。




 たくさんのよみてにおどろきをあたえられるさくひんをめざしてがんばろーっておもいました。まる。

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今更「魔法少女まどか☆マギカ」を観た話。 枕木きのこ @orange344

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