第6話 引越し

 いよいよ、僕か新しい家に引越す日が来た。


 新しい家は今までより二回りは大きい瓶だ。

 今までの住処の水ごと小さな入れ物に移されて僕は待っている。


 その間にお父さんが瓶の底に細かな砂利と新しく水草の様なものを入れてくれた。

「フライ!(お父さんだけは頑なに僕をこう呼ぶ)もうすぐ新しい家が出来るからな」


 汲み置きしてあった水を入れ、急だと僕の身体がキツイだろうからと、暫くは小さな入れ物のまま、水に少しずつ慣らしながら移してくれた。


 最後にお気に入りの流木を入れてもらって、僕の引越しは無事に終わった。


 お母さんと慧さんがパチパチと拍手をして、「白玉ちゃん、良かったねー」

 と笑った。


 お父さんもニコニコしている。


 僕は流木の下に入ってちょっと背負うようにして軽く運動した後、早速広くなった住処を端から端まで歩き回った。

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瓶の中で生きた小さなザリガニの話 つきの @K-Tukino

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