途中までの感想です。
色々なファンタジー、例えば、『不思議の国のアリス』や『ヘンゼルとグレーテル』などの要素を上手く練り込んだ作品です。
同じファンタジーでもカッコよくなぎ倒していく勇者が登場しない物語です。
大切なことって何かを考えさせられました。
これは、子どもの心の中でしょうか?
ある日、ヒナ(雛子。日本の大学生)とポー(ルナの妹)は、ルナ(ヒナと同じ大学の留学生)を探しに出たところで、迂闊にもついて行ってしまったドールのウサギの罠にかかる。
そこは、異世界だった。
ドールがいる。
床がふかふかする城があり、その中には、無限回廊もみられる。
私は、タンスが、少し不思議な科学的にも詩的にも面白いと思った。
女王も鎮座すいる。
女王は、貰ったお菓子を食べなかったヒナをドールにしなかった。
さて、これからどうなるのでしょう。
サブタイトルが七文字にきっちり揃えてあり、旋律のよさを感じる。
読みやすく工夫されておりますので、Chapterごとにまとめ読みも楽しいかと思います。
文体は、やわらかに書かれており、作者様の新境地だと思いました。
続きは、読んでのお楽しみです。
是非、ご一読ください。
ウサギのぬいぐるみに導かれ、穴から転げ落ちた先にあったのは、人形ばかりが暮らす不思議な世界。
行方不明の友達ルナを探して、彼女の妹ポーをお供に、主人公ヒナの冒険が始まります。
そう、これは『不思議の国のアリス』をモチーフにした作品です。
しかし読み進めるうちに気付くでしょう。この物語の根幹にあるのは、現実世界のどこにでも潜んでいそうな家族の絆の問題であるということに。
端正な文章で色鮮やかに紡がれる、どこか不気味でどこか可愛らしい『ドールの国』の情景。
女王様の思い通りに作られた世界の理の歪さが、迷い込んだ者を苦しめます。
『女王様』とは、いったい誰なのか。
なぜ彼女は、このような世界を作り出してしまったのか。
秘密が明かされ、『女王様』の想いに触れた時、その苦しさに胸が震えました。
決して先を急ぐことなく、一歩一歩を確実に踏み進め、こんがらがった人間関係と心のわだかまりを丁寧に紐解いていく物語の運び。
そうして主人公たちが得たものに、素晴らしく温かで爽やかな読後感をいただきました。
とても素敵な物語でした。