最終話 私が考える『なろうテンプレ』との付き合い方

 皆様、こんばんは。灰塵でございます。

 とうとう今回で最終話と相成ります。長らくお付き合い下さった皆様、本当にありがとうございました。また、貴重な機会を設けて下さった企画主様にも、改めて御礼申し上げます。

 お陰様で『なろうテンプレ』に関する様々な考察が集まりました。読者諸兄の中には、これを機に『テンプレに挑戦してみよう!』という意気込みを持たれた方も居るかもしれません。ですが、ここに一つだけ問題があります。


 例えば、30分TVアニメ(実質25分動画)相当の内容を小説にしようとすると、私の場合最低でも1万文字程度かかります。1クール分12話であれば、最低12万文字必要です。私の更新履歴を見てみますと、1万文字を書くのに約半月程度掛かっておりますから、12万文字は欠かさず書いても半年掛かる計算になります。


 一方、『なろうテンプレ』とは、『なろう』で流行ったたくさん使われたテンプレだから、『なろうテンプレ』と呼ばれます。流行とは、流れ移ろい、変わり行くものです。つまり、何が言いたいかというと……


 ―――― そのテンプレ、今から書いて、間に合うの?


 流行の分析はマーケティングの面でとても重要ではありますが、『今まさに流行っているもの』を今更準備し始めたのでは、手遅れ感がいなめません。小説のような、着手から完成までに時間がかかる物は特にです。無論、そのジャンルが好きで、流行とは別に読み漁る読者の方々も相当数いるでしょうが、それらの方は既に同系統の既存作品を大いに平らげている訳ですから、当然、月並みなテンプレオンリー作品などでは満足してくれないでしょう。


 つまるところ、『テンプレ』とはテンプレートの名が指す通り、形を整える為の型であって、味わうべき本質は別の所にあるのではないでしょうか。同じ型で抜いたクッキーなら、見た目はきれいに整っているでしょうが、それが美味しいかどうかは、また別の話です。


 ですから、『テンプレは単なる道具』と割り切ってしまいましょう。自分が目指したい『味』作品像がまず在って、それを表現するのに丁度良い『型』テンプレがもしあったなら、適宜使って形を整える。それくらいの距離感が丁度良いのでは、と私は思います。 

 なにより、本来「作り手」クリエイターにとって流行とは、乗ったり追いかけたりするモノでは無いはずです。

 ――――そう、流行とは正に、自らが作り出してゆくモノのはずですから。



 以上で、“私が考える『なろうテンプレ』”、完結とさせて頂きます。

 ここまでお付き合い頂き、本当にありがとうございました。

 また、どこかの企画等でお会いする機会がありましたら、どうぞ宜しくお願い致します。


 それでは、今回はこの辺で。


                          from 灰塵

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私が考える『なろうテンプレ』 灰塵 @ashdust

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