第5話 葬儀社のスタッフは暗い
これは、ないないですね。葬儀社の社員、スタッフが暗くては大切な方を亡くされたお客様をご案内することはできません。中には感情移入をして泣いてしまう社員もいますが、これもすべてお客様のことを思ってのこと。基本的に私達も人間です。
怒られればへこみますし、面白いことがあるとくすりと笑いますし、悲しいことがあれば泣きそうにもなりますし、楽しいことは楽しいと感じます。しかし、あまり楽しい、嬉しいといった部分を大っぴらにしてはいけません。心で思い、顔には一切出しません。無愛想かもしれませんが、基本的には何事も動じない姿勢がほとんどの葬儀社スタッフには身についているのではないでしょうか。
葬儀のお手伝いをするにあたり、スタッフが動揺していたり、挙動不審であってはお客様に信頼していただくことはできません。ましてや、お客様に任される立場にあるのですから、自信過剰でもいけません。
葬儀スタッフは、あくまでも裏方です。お客様と一緒に葬儀を行いますが、あくまでも主役は故人様はじめ来館されたすべての方です。
たまに故人様の趣味が自分と一緒だとテンションがあがる時もありますし、同時に名残惜しくもあります。たまに若くして亡くなった方のご家族の皆様を見るだけでいたたまれなくもなります、しかしそれは私の感情であって仕事には関係のないことです。私はただスタッフとしてお客様のお手伝いをするのみです。
ですので、反対にお客様である皆さんにはなるべく我慢せず、感情を押し出してほしいものです。「大人のくせに泣くな。」「あなたがしっかりしないと。」そんな言葉クソくらえです。誰だって人間です、大切な人が亡くなって悲しい、怒れてくる、なんとも思わない、笑えてくる、その人その人の感情があるんです。
感情に間違いは一つもありません、中には家族の前だからしっかりしないと、喪主だからしっかりしないと、頼れるのは自分ひとりだからと蓋をしてしまう方もいらっしゃいますが、せめてお通夜の夜だけは、せめて誰もいないところでは感情を爆発させてください。決して悪いことではありません。
葬儀社あるある葬儀社ないない 深青藍 @seiran_hukami
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