カクヨムでダークな童謡風の話を読めるとは意外でした。
みじかくて、こわくて、わらえて、わらえない。じゅういっぴきのくろやぎさんと、ときどきしろやぎさんと、たまににんげんのはなし。
歌うようなリズムが心地よい、楽しい文章。だけどその中身はまっくろけです。救いようがないほどまっくろけ。きっつい風刺が入ってたり、自虐的な心理が入ってたり。笑えるけど笑えない。でも笑ってしまう。くろヤギさんの運命。ひとつの話が短いので、さくっと読めます。じゅういっぴきめまで読みましょう。個人的に好きなのはごひきめとななひきめ。あなたはどのヤギさんが好きですか?
11匹の黒ヤギさんのお話。昔読んだとある子供向けの教訓の絵本のように。最後はまさに人への警告。明るく書いてあるけど明るさの中に残酷さがあり、その両立がすごい。一つ一つは長くはなく、さらっと読めるので是非一読いかが?
最近、絵本を買うことがあったのですがその際に、大人が読んでもかなり怖い話というのも多数ありました。教訓モノであえて怖くしているものもあれば、ただただ暗く怖いモノも。これは本当に子ども向けの絵本なのかな? と首をかしげたこともありましたが、このお話はどことなくそのとき感じたモノに似ていたような気がします。かわいいタッチで書かれることは残酷で。楽しく書いているようで残酷で。