その大鎌は、根こそぎ食らう

映像に対しての意識が高い作品だなと思いました。
小説なのですが、場面を頭の中で再生すると、本当に絵になる。
このままアニメ化しても問題ないと思えるほど。

特に夢食みジャック。
彼女は、登場シーンからなにもかもが、カッコイイ!
そしてなにかの象徴のように登場する小道具の数々。天道虫、ランタン、大鎌。
映像を盛り上げるためのただの小道具なのか、それとも暗喩的ななにかなのか、読む人間の想像を掻き立てる工夫がされています。それを「こうなんじゃないか」「ああなんじゃないか」と考えるのもまた、小説の醍醐味。

映像化が容易で視覚的に楽しめる一方で、本来の小説としての味も最大限引き出した至高の一品です。
『文字食み』の皆様、どうぞご賞味ください。

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