日本誕生!
戦いが終わってからも、スサノオの別の戦いは終わっていなかった。
倭国はスサノオ達の時代は文明水準は極めて低く、貧富の差は著しかった。
スサノオは今は亡きオツキのかつての言葉をしばしば思い返した。
(私達の国が大陸を超えるの!?見てみたいな未来の私達の国♪)
スサノオはそれを思い返すたび、倭国の文明のいたらなさを何とか変えなければならないと思い、倭国文明の発達に全力を注いだ。
スサノオは休む事が少なかったので戦いの後籍を入れたクシナダにしばしば心配されていた。
「あなた、たまには休んだ方が良いんじゃない?何故そこまでして頑張るの?」
クシナダはスサノオの日々の頑張りに気遣う。
「あはは、楽しくてやっているから気づかいはいらないよ、それとオツキに見せてやりたいんだ!倭国の発展した姿を!」
スサノオは熱い目で答えた。
その時、一人の綺麗な着物を羽織った可愛らしい少女が両親と共にやってきた。
迎えるスサノオとクシナダ。
「ヒミコちゃん!いらっしゃい!」
名はヒミコと言い、オモイカネが未来の女王になると予言した赤子である。
「ヒミコちゃんももう4歳か、大きくなったね!」
クシナダは優しくヒミコの頭を撫でる。
「この子ったら何度もスサノオさんの所に遊びに行くと聞かなくて…」
父親はやや呆れた笑顔で無邪気にはしゃぐヒミコを見て言う。
ヒミコは相変わらずライオンの鬣のような髪型のスサノオの髪を引っ張って遊んでいる。
「ははっ、髪引っ張るなって!スサノオおじちゃんがお話聞かせてやるから大人しくしてるんだぞ!」
「うわーい!スサノオおじちゃんのお話おもしろいから大好き!」
スサノオはヒミコにお話を聞かせた。
その内容は自伝を元にした話で後に日本神話として後世に語り継がれる事になる。
スサノオは倭国発展に尽力を注いだがまた新たな問題に直面されるのだった。
イザナギの剣、または三種の神器を盗む者がいるというものである。
特にイザナギの剣は持ち主を選ぶ剣。
有効に使える者が使うなら良いが盗みをする者にそんな者がいるはずもなく、
強大なパワーを持った荒くれ者になり兵士を導入して止めないと被害が拡大するから始末が悪い。
そこでスサノオは、イザナギの剣を高天原のアマテラスに守って貰う事にした。
しかし問題はそれだけでは無い。
三種の神器の悪用である。
イザナギの剣同様持ち主を選ぶものなので盗む者が現れるのを何としてでも防ぐ必要があった。
そこでスサノオは八重垣と言う八つに巨大な壁で出来たもので、三種の神器を囲んだ。
そうする事で、イザナギの剣、三種の神器を盗む被害は無くなったのである。
そして、そうした犯罪などが横行する倭国の将来を案じたスサノオは、子供への教育面にも気を配った。
と言ってもスサノオ自身教養は無いので、妻のクシナダや、優れた人達の力を借りる必要があった。
そうする事で倭国は犯罪の少ない優れた国家として繁栄していった。
後に、悪政により倭国全体が混乱してしまうのを防ぐ為に、倭国は天皇制となり、倭国から日本と言う国号に名を変えた。
現在の日本の世界に轟く繁栄や、優れた教養、自然があるのは正にスサノオの偉業があったからと言っても過言では無い。
end
未来古事記伝説BUSON 海豹ノファン @retubou
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