ありあけの月 小話集

作者 香居

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★★★ Excellent!!!

なんと転生してこことはちょっと違う世界線の、源頼朝に転生してしまった『女性』主人公、その日常と心の変遷を描く歴史ストーリー。転生してしまったことにより、近代的な平和の概念を持った鬼武者(頼朝の幼名)が取る行動とは。保元の乱前後にてどう行動するのか。

 という堅い文章はどうでもよく(よくない)、幼い頃のキャッキャウフフで女性の世話人さんたちを可愛さや仕草で見事に虜にしていく、そんな日常がとてもおもしろいお話です。タイトルのことは本当に記述があります。なんて人だ。

 弟妹のお世話をするときの優しさは暖かく、その弟たちの仕草はとても可愛らしいです。

 歴史物なので描写や言葉、地の文が少々読みにくいのはありますが、読んで行くに連れ、慣れていきます。大丈夫です。この作品で歴史物の難しい系の記述に慣れるのもありです。歴史系が読めるようになるっていうのは新たな一つの扉が開けることに繋がりますよね。

 途中行成卿、藤原行成という平安時代の『超字がきれいな人』『書道の開祖』のほぼレプリカの書(この時代、完全復元は不可能なのです、その貴重さたるや文字数)を手に入れるのですが、あの時代の中のレベルではありますが、めっちゃ心躍りニマニマするシーンがございます。
 その場面だけは多分中身は作者です。温かい気持ちでご覧になってください。

★★★ Excellent!!!

驚くべきはその知識量。

歴史モノということで、ちょっとした言い方や物の名前が現代とは異なることは必然。それを見事に使いこなしています、しかも慣れた様子で。常日頃からこういった言葉使いをしているんじゃないのか?って思えるほど、文章が自然なんです。
かといって、古文のように読みにくいと言うわけでもなく、それでも、読んでいるだけで鎌倉時代前の雰囲気を味わうことができます。恐らくルビや注釈のおかげですね。とても丁寧な配慮がされている作品です。

私は歴史小説を苦手としていたんですけどね……ほら、なんか勉強させられている気分になるじゃないですか?(笑)日本史、世界史はかなり不得意な科目だったもので……だから、大河とかもあまり見ないタイプだったんですけど、この小説を読んで『歴史嫌い→歴史おもろい』に変わりました!

歴史というだけで、私みたいに読まず嫌いをしている人も多いんじゃないでしょうか?そういった方にオススメのさくひんです!

一緒に平家や源氏の世界にタイムスリップしましょう!