牡蠣に思う

 こんにちは。

 思いきり梅雨ですね。

 家のフローリングが湿気でじめじめしています。

 まさにモンスーンの影響を体感します。

 だけど、モンスーンって言いたかっただけです。

 あっさりした麻の服を着て、バッチャン焼きで東南アジアっぽいものを食べたり飲んだりしながら

「今日もよく降るねえ」

と、飴に濡れそぼつ温暖湿潤な地方の木々を眺めるエキゾチックなポエジーを脳に浮かべると少しかっちょいい気分になれるので。


 さて、前回は昨年の8月投稿だったので、だいぶご無沙汰してしまいました。

 かといって、誰に詫びなければならないこともないので、自分に対しててへぺろしとくくらいの気持ちです。


 今日は牡蠣についての話をしようと思います。

 めいっぱいオフシーズンですが、思い出したときに書いとかないと忘れるので。


 牡蠣はですね……複雑な気持ちを抱いている相手です。


 私が牡蠣を食べてはならない体質だと自覚したのは五年くらい前です。

 何度も何度も牡蠣を食べては布団とトイレとで眠れぬ夜を煩悶し抜き、やっとそこへ辿り着きました。

 生/加熱問わず、牡蠣を食べるとそのたびに激しい腹痛、嘔吐、下痢に見舞われます。


 子どもの頃は平気だったんです。

 そこまで好きじゃなかったから、しょっちゅう食べていたわけじゃないんですが、海に近い住宅街で育ったので、気が向いたら石で野牡蠣を割って食べたりとかしてました。

 そしてお腹も壊さず、まあこんなもんかと思っていました。


 ところが、二十代半ばから食べるたびに何かおかしいと感じ始めました。なんか、胸が苦しくなってひたすら嘔吐してしまうんです。

 なのに以前は普通に食べてたんだし、今回はたまたまあたっただけだと思って、気にせず時々食べてました。当時の職場が地元漁協と協力関係にあり、大粒のりっぱな牡蠣がそこそこ安く買えたんですよね。

 とにかく、変だなとは思いながら食べ、そのたびに苦しみにのたうち回ってました。


 やっと自覚してからは牡蠣は食べていないのですが、オイスターソースは今のところ大丈夫。

 でもいつダメになるかわかりません。

 ゆえに料理にオイスターソース使うときは悲壮な覚悟をします。

 覚悟するくらいなら使わなきゃいいんですが、オイスターソースの焼きそばが好きなので、つい。


 牡蠣じゃない貝類が入った料理でもたまにそっくりの症状が出ることがあります。

 外食でシーフードドリアを食べて上下からマーライオンになって、本当にライオンみたいに唸りながら夜を過ごしたことも。

 でも、症状が出ないことの方が多いので、普通にペスカトーレも貝類のお寿司も食べてます。危機管理のできない性格です。


 私の妹が、大好物の牡蠣にアレルギー発症後、二枚貝全般で症状が出るようになったので、私もそうなるかと思うとちょっと怖いです。

 妹は貝類大好きで、特に牡蠣に対してはクレイジーLOVEだったので、食べられない身となった今は新鮮な牡蠣の画像を見るたびなんか叫んでいます。

 一方私は牡蠣は全然好きじゃないしむしろ苦手寄り。

 食べなくてもまったく困りません。そこのところは良かったと思います


 ただ食べられないと思うと口にしたくなるんですよね。

 焼き牡蠣のいい香りが炭火焼の屋台や牡蠣小屋から漂ってくると、小さいの一個くらいなら、と思わないわけでもありません。

 でも胃腸が雑巾のように搾り上げられる痛み、肺が潰れるような苦しさを思い出して乗り切っています。

 

 オシャレなオイスターバーにも行ってみたいし、ベルギーやイギリスの漁港の町を旅して焼き牡蠣や蒸し牡蠣が入ったバケツを買いたい。

 魚介類を多食する島国ニッポンの私がアレルギーで、海洋生物のほとんどを気持ち悪がって食べない外国人が牡蠣に舌鼓ってなんかおかしいと思いませんか。暴論なのはわかっていますが。


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わたしをつくることども 江山菰 @ladyfrankincense

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