小説であり、ドキュメンタリー

中世ヨーロッパの障害児と、その母の様子、思いを描いた小説です。フィクションでありながら、ノンフィクションに近い説得力があるのは、著者さんの当時代への造詣と、その時代の母親が抱いたであろう心情が繊細かつ緻密に描かれているからと思います。
この時代がよくわからない方も安心してください、現代知識を踏まえた解説も本文内に書かれています。

中世と現代を比較し、クリティークに見れるよう書かれているからでこそ、著者さんの読者に考えさせたい、というメッセージがとても伝わってくる作品になっています。