第4話無くした記憶
ある日の昼休み。
ミキは食堂で百合子と昼食をとっていた。
「ねぇ、先輩。子供のとき好きだったアニメって何ですか」
ごはんをモソモソと食べながら、百合子は聞いた。
「うーん、なんか小さいときのことってあんまりよく覚えてないの」
箸の先をなめながら、ミキは言った。
行儀が悪いとしりつつやってしまう彼女の癖だった。
ただ、覚えていることがある。
怖い夢を見たらこう言いなさい。
夢食みさん。
夢食みさん。
夢食みさん。
お願いです。怖い夢を食べてください。
そう言い、寝かしつけてくれた今はなき
母親の顔を。
夢食み 白鷺雨月 @sirasagiugethu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます