第4話無くした記憶

ある日の昼休み。

ミキは食堂で百合子と昼食をとっていた。

「ねぇ、先輩。子供のとき好きだったアニメって何ですか」

ごはんをモソモソと食べながら、百合子は聞いた。

「うーん、なんか小さいときのことってあんまりよく覚えてないの」

箸の先をなめながら、ミキは言った。

行儀が悪いとしりつつやってしまう彼女の癖だった。

ただ、覚えていることがある。


怖い夢を見たらこう言いなさい。

夢食みさん。

夢食みさん。

夢食みさん。

お願いです。怖い夢を食べてください。

そう言い、寝かしつけてくれた今はなき

母親の顔を。

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夢食み 白鷺雨月 @sirasagiugethu

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