#9 バローティエ家と甘い香り


 二人は客間で座って待っているようにと言われていた。バネクリャンbaneklianと温かいリウスニータli'usnirtaを用意してくると言って、リカルティア嬢は部屋を出ていて残ったのは私とレシェールだけだった。

 案内された客間はいかにも貴族趣味というような風景だった。ずっと街の暗部で生きてきた自分には触れたこともない絨毯や壁紙、調度品の数々には口を開けて見つめるほか無かった。軍需で儲けている成金などにしてみれば多分、「これは~風の~建築ですかな、奥様?」などと衒学な会話をするのだろうけどそんなことは無理だった。


"Ers vlasna jaまずいな."

"Ers vlasnarnまずいって?"


 レシェールは鼻をこすりながら、壁にかけられていた肖像画を見ていた。下に書いてあるのは名前なのだろうが、筆記体で書かれていて自分には読めなかった。


"Relod fonバローティエ Ballautie es家といえば varblotir do ja団栗革屋の大手だぞ."

"Knon p'arcies良くわからないけど, harmie falcins何か問題でも fal la lexあるの?"

"Hmmうむ......"


 レシェールはうなりながら、窓の外へと視線をそらした。綺麗に整えられた庭園には季節の花々が咲き誇っている。


"Fhasfa'd jeie何か面倒なことが voles jol lyme起こる気がするんだ......"

"Nace fua milio tiお待たせしましたわ, enforlestiフィアンシャの方々."


 レシェールが黄昏れながら不思議なことを言っている間にリカルティア嬢は使用人を侍らせて戻ってきていた。使用人が押しているセットの上には真鍮のポットとカップ、棒バネクリャンが載せられた皿が乗っていた。使用人はそそくさと自分たちの前に皿とカップが置いた。そして、皿にバネクリャンが切り落とされて、カップにリウスニータが注がれる。自分には人生で一度も味わったことのない厚遇にどう反応すれば良いのか分からなかった。


"Nieriet plaxどうぞ頂いて下さい!"


 固まっているとリカルティア嬢が勧めてくる。眼の前のリウスニータの入ったカップをおそるおそる持って匂いを嗅いでみる。フェフェレーアfefeleraの香りが気分を落ち着かせた。そんな私の仕草が可笑しかったのかリカルティア嬢とその使用人はこちらを見て、クスクスと笑っていた。オストostだからと馬鹿にしているのだろう。

 レシェールはといえばバネクリャンの方を一口食べたところだった。


"Fqa esこれは coss garcierlあなた達の製品で?"

"Ja luええ, Co letixよく nefargart気づき liormanfy tiましたね!"

"Ballautieバローティエ家 es karnicitj fuaバネーデシュ加工品で xemerl banerdex有名ですしね. Sarma es商売も farkzirvhi繁盛している lyme ly lurngことでしょう?"

"Merまあ, ja lyそうでしょうね......"


 レシェールはリカルティア嬢の曖昧な答えを不思議に思ったのか、首を傾げた。私はその奇妙な間に何か聞き出せるような気がしていた。


"E elenorfen何か心配な fhasfa felx事があるなら deliu co私らに inarxt misse'l相談したら jaどう?"

"Ja luそうですよ, miss m'es我々はフィアンシャの fi'anxa'd larta人間ですし, klie fuaそういった話を vellyeo訊きに来たのです."


 レシェールがいい感じに被せてくる。その言葉にリカルティア嬢は顔色を変えることは無かった。リウスニータを一口飲んで、彼女はため息を一つ付いた。


"Cene mi inarxt相談できれば melx es pa vynut良かったのですが cun fqa esなにせ reloda'd fafsirl私的なことでして......"

"Hmふむ, la lex es plorulそれは残念."


 どうやら、遠まわしには聞き出そうとすることは出来ないらしいかった。そもそも私にはこういったやり方は向いていない。直接訊いてしまったほうが速いと思ってテーブルに手を付いて、乗り出してリカルティア嬢の眼の前に来る。

 訊くのは遺書代筆の依頼者、トゥフィア・ド・バローティエの話だ。


"Lirsそういえば, Tuffiaトゥフィア de Ballautieバローティエ xici'dさんが pestavilestan亡くなった klie lyだとか."

"Jei, copestiおいお前."


 レシェールが横に出てきて小声で止めようとするが手で押し返す。リカルティア嬢はどう答えたら良いのか分からないといった困惑の表情でしばらく返す言葉に困っていた。


"Hettえっ...... joppえっと...... mers, Jaまあ、そうなんですか?"

"Ni'st metionasch彼が遺書の kranteerl'it代筆を依頼した lex kylusesターフ先生 tarf len velesは何者かに昨日 retoo fhasta'st殺された fal nestilんだ. Miss melfert私達はその la lexe'd犯人を kuqa探してる."

"Deliuそれは...... hartkarfelain警察に通報 la lexしたほうが tirne luいいのでは?"


 レシェールが咳払いをする。


"E mol vlasnaそうなると色々と iulo's mels eso不都合が la lex'i luあってだな."

"Deliu miss私達だけで lap melfert見つけないと la lexいけないからね."

"...... Firlex分かりました, mi celdin探すのに私も melferto lu手を貸しましょう. Paしかし, deliu mi lkurf言っておくべき iulostan pestaことが一つ elx celdinil luあります."


 私もレシェールもシンクロしたように首を傾げる。何か条件を課されるのだろう――そう思っていたが、そんな考えもすぐに裏切られることになった。


"――Tuffiaトゥフィア de Ballautieバローティエ es harmaeって誰なんですか?"





 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

戦う詩人と人形の町、または賭博人 Fafs F. Sashimi @Fafs_falira

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ