#8 杯を叩きつけるのは敵意の証


"Pusnist niv止まってんじゃねえ tirova'sグズが! Iskaクソが tydiest dea行けってんだ shrloこの野郎!"


 ぼーっと突っ立っている歩行者に暴言が降りかかる。その主は藍色の制服を着る警官、胸につけられた所属章にはリパラオネ人らしい名前があった。あれも中央政府から送られてきたエリート主義に飲まれた一人なのだとしたら、正義を気取ってそこに立っているのを一発ぶん殴りたくもなる。そんな感情を心の内に秘めながら、隣に立つレシェールは何も気にしないような顔で突っ立っていた。

 交通整理員の警官の怒号のような言い方は今に始まったことではない。生まれた時から車の行き来が酷い場所の真ん中に立って無線に叫び付ける。聞いていられないような言葉もいつの間にか慣れてしまっていた。交差点を過ぎると閑静な住宅地に入る。どこも広い敷地を贅沢に使っているような奴らばかりで腹が立ってきた。


"Kranteerlestana'd依頼書の sietival es住所は fkavenこの辺り doらしいな."

"Ly es思った通り...... aceslenyst豪邸み dalle tisoderlたいだね."


 邸宅の黒光りする門は丸でフィアンシャのそれのようだ。個人の邸宅にこんな門があれば誰だって驚くだろう。門に刻まれた名前はバローティエ、依頼書に書いてあるのと同じような名前であった。あまりの貴族臭さにレシェールも顔を歪めていた。

 貴族っぽい名前が何なのかは具体的には分からないが、このご時世になってヴェフィス語の名前をそのまま名乗っているような人々はそう感じられる。スキュリオーティエSkyliautieスキュリャウティェSkyliautieと呼ばれるこのご時世、それが意味を持つのはご貴族様くらいだということだ。


"Harmae larta門の前に立って fasta kienulおられるのは誰 es tirneかしら?"


 第三者の声に二人は自然に目を向けることになった。門の先、邸宅の二階の窓から誰かがこちらを覗き込んでいた。リパラオネ人らしい綺麗な銀髪、透き通った蒼い目に濁りは無かった。純心という言葉が良く似合うような令嬢だった。


"Talisestiお嬢さん, Mi m'es俺は fi'anxa'd lartaフィアンシャの者で,......"

"Ers filx fafsirl間違いないね, tvasnkiumersti教団員さん."


 レシェールは詩人リパラオネ教団の人間だ。何も間違いではない。

 会話を中断されたレシェールはこめかみをひくつかせながらも彼女を籠絡するために表情を崩さなかった。


"cene mi en入っていっても fal fqa良いですかね?"

"Artiあらら, miss esわたくしたち niv farnenシャーツニアー fua keplesoをおもてなしする xarzni'ar準備が......"

"Miss alvaik気にしま cossola'cせんよ. Selene miss私達はただ lapon訊きたいことが nun ekcejあるだけですから."

"Jeiねえ, lecu velesお茶の一杯でも tansteso lar at貰おうよ."


 貴族臭さが言葉から出ているのに耐えきれずに、だが窓から覗き込む令嬢には聞こえないような声でレシェールに言う。だが、彼は首を振った。


"Fi is dalleそうなったら la lex, veyl俺は自分の ler mi cuirteカップでお前の co'd veyl jaを殴るだろうな...... Lkurf niv黙ってろ . Afnar niv snusel余計なことを言うんじゃねえ."

"Harmie tirne何か仰っしゃりましたか?"

"Niv jarti何でも無いですわよ~"


 レシェールの代わりに適当な返しをしてやると令嬢は良く分からないという様子で頷きながら、部屋の奥の方へと行ってしまった。制止者が外れたレシェールの拳骨をくらうまでそれからさほど時間は掛からなかった。

 令嬢はすぐに降りてきて、私達二人をまじまじと見ながら鉄の門を開けてくれた。レシェールの衣服を見てヴァルガンテだとバレないかと心配していたが、彼女は柔らかい微笑みを顔に浮かべながら家に招き入れてくれた。何だかんだいってレシェールが詩学院卒者レーンクローマヴェーであったことに救われたと言うべきかもしれない。


"Harmie coお名前は veles stieso lurtiなんですか?"

"Mip...... mi es私は lexerlレシェール・.lefjcenavijuレフィセナヴィユ. Malそれで, fqこい...... ci es ar彼女はえっと......"

"felircaフェリーサだよ."


 レシェールの名前は知っていたが彼の方は私の名前を知らなかったらしい。調子を崩されたレシェールは私が名前を言ったのにあわせて首をふることしかできなかった。


"Mi'd ferlk es私の名前は Likartiaリカルティア de ・ド・Ballautieバローティエです. Plaxci co luお見知りおき下さい."


 令嬢のほうは少し不思議そうな顔をしながらも彼女の名前を言った。どうやら納得しているらしい。市街に居るような普通の人間ならもう疑っても仕方がないはずだけど、1ディアンも疑う気を見せないのを見ると逆に気味が悪くも思えてくる。


"Ci fea ost es彼女はオストなの?"

"Ers ostオスト!?"


 変なことを口走ると思われたのか咄嗟にレシェールに口を塞がれる。


"J, ja luそうなんですよ! Kalzaneno io最近フィアンシャ ci klie elに入ってきた fi'anxa magばかりで is niv tyrne状況の変化に fai furnkie lavol馴染めてないんです...... Ha, hah hahはっははは"

"Arsor tiそうなのですか."


 薄ら笑いのレシェールの手が外れるとお互いに睨み合う。そんなことをしながら、バローティエ家の庭を渡って豪邸の中へと案内されていった。

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