#7 一昨日の依頼書


 ぼーっとしているとラネーメの古い故郷のことを思い出す。リパラオネ連邦にラネーメ共和国が加入する前、ラネーメ人の生活は非常に素朴だった。モノづくりであれ、食事であれ、建築であれ、人々の繋がりであれ。この時代の殺伐さには、素朴さが失われた地平にはうんざりさせられる。

 そんなことを考えながら、私とレシェールは舗装された道を歩いていた。田舎なんかでは珍しい敷石舗装の道チャーリミテ・フェユは都市圏の象徴だった。


"Harmue co xel jaなに黄昏れてるんだ?"

"Liaxu mi yst kenis少し前のことを ekcefonten思い出 liestu'd iuloしていて."

"Ekcefonten少し前の iulostiこと?"


 レシェールは怪訝そうに聞き返したが、さほど興味もなかったのかすぐに町中の様子を眺めていた。最近風紀を乱すとして違法になった路上の靴磨きやら、屋台が堂々と出店している。屋台はちょっとした移動茶屋からヴェフィス人やラネーメ人向けの酒屋も出ていた。昼から飲んでいる人間を茶屋のリパラオネ人が皮肉り、酔っ払ったヴェフィス人らと乱闘騒ぎになるのは違法屋台街の風物詩と言えるが早朝の屋台には突っ伏しているろくでなししか居なかった。


"Hame lurdaアクラプテゼースってのは akrapteserss esどんな人達なの?"

"Niss es la delnen俺らとは違って nefdalle mipessデルネンなんだよあいつら. Niss lior niv犯罪者になるのを mels iso dolumちっとも恐れてねえ."

"Firlexなるほどね."


 私が理解した様子を見て、レシェールも頷く。


"Malそれで, Miss es俺らは DLTフランの z'es la flanDLTなんだよ."


 ヴァルガンテ――と一言で言っても色々な者たちが居る。独特な倫理の中で善人的な一面を持つフラン・ヴァルガンテの中で最も大きな勢力を持つのが詩人リパラオネ教団ドゥーシェード・リパラオネーゲン・トヴァスンキュム、通称DLTだ。それに対立するのデルネンと呼ばれる勢力。デルネン・ヴァルガンテは無法者集団で恐喝から薬物取引、武器密輸、挙句の果てにはウェールフープにまつわる不法投棄まで幅広い違法行為に手を染める集団であった。「祝福された者たちアクラプテゼース」という名前からみて、リパラオネ教関連の人間たちなのであろうことは分かるがそれ以上に分かる情報は少なかった。


"Fgir es celternあれが公証人 kinerstana'dの事務所 destekal lyみたいだな."


 そういってレシェールが指さした先には小さくターフ教法公証人事務所アーレフィアード・セルテーン・キネー・デステカルと書かれた看板が掛かっていた。狭い路地の奥の方に事務所を構えているらしく、意を決してレシェールは事務所の方へと足を踏み入れた。ややあって暗がりに入り口が見えてくる。横に立っている強面の男はレシェールの知り合いか何かのようで目を合わせても何一つ止めることはなかった。


"Harmae誰なの?"

"Mipessen俺らの valgante'dヴァルガンテの haltxerjer見張り es lysじゃねえか."

"Ers niv rattel知り合いじゃないの?"

"Ilesvecon少なくとも es niv rattelお隣さん zu sietiv mel mialじゃあねぇな."


 そういってレシェールは事務所の中へと入っていった。ヴァルガンテの顔見知りというのは割と適当なのかもしれない。

 事務所の中は小綺麗だった。ラダウィウム色のカーペット、骨董品っぽいラネーメ時計、窓ガラスに歪みはなく、特権階級らしい家といえばそうだった。ルンペンからしてみればこんなところに定住するのは夢だったが、一方のレシェールはここの空気が苦手なのか、少し嫌そうな顔をしていた。


"Wioxa jetes melfert早く手掛かりを riron melx探して jol lecu外に eski fqa出よう......"

"Jaそうだね."


 レシェールが手当たり次第に戸棚を開け始める。私も目の前の机の引き出しを引いて中身を物色する。物色しながら、自分の今の奇妙な状況に愚痴が漏れ出す。


"Pa, liaxa pan組織の危機 lap at klieだというのに niv fua melferto誰も捜索に. Fi alarta is来ない adircafenなんてね."

"Edixa pan lap誰も公証人が at tisod niv mels死んでただなんて celtern kiner思ってなか jisesno lyったろうよ."


 ため息を付きながらもレシェールは手当たり次第に書類をめくっていた。

 一方、私が開けた引き出しの中にはぐちゃぐちゃに丸め込まれた紙が入っていた。紙の端を持って強くひっぱるとある程度広げられて読めるようになっていた。


"Harmie fqa esなにこれ......? Ersええと <kyluso遺書 kranfaoveso代筆 metionasch依頼 kranteerl>......? E veles日付は stusinon一昨日に luvenitergo jaなってる."

"Stusinesti一昨日...... lirsそういえば, harmie'i fqapeこいつは殺される es pesta jisesnil前に何して esmたんだ?"


 依頼書の中身を見てみる。見るからに貴族っぽい名前がそこに連なっており、住所が書かれていた。証印まで押されていて、どうやら代筆に行ったことは確実そうだ。

 レシェールも横からしわくちゃの依頼書を覗き込んでいた。


"Lecu tydiestこの住所に sietivalastan行こう celx cene miss何か分かる qune fhasfaかもしれない."

"Jaそうだな."


 答えるとレシェールは律儀に開けた戸棚を締めていた。ヴァルガンテのくせにいちいち行儀が良いのは何だかムカつく。同じように目の前の引き出しを閉めるとさっさと事務所の外へと出てしまった。


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