続・カクヨムで開催されるコンテストは本当に増えているのか

   

 もう数日前の話になりますが……。

「カクヨムからのお知らせ」を見ていたら、また新しいコンテストの開催予定が告知されていました。


【8/1~9/20】「嫁入りからのセカンドライフ」中編コンテスト開催決定!

https://kakuyomu.jp/info/entry/kadokawabooks_suddenmarriage


 最初に『カドカワBOOKS×カクヨムの中編コンテスト第4弾!』と明記されている通り、現在開催中の「賢いヒロイン」中編コンテスト同様カドカワBOOKSのコンテスト。中編コンテストという点も同じですし、同じシリーズのコンテストですね。

 その「賢いヒロイン」中編コンテストの開催告知は「楽しくお仕事 in 異世界」中編コンテストの最終選考結果と同日であり、まさに「ひとつコンテストの結果発表するや否や、次のコンテストの告知」という感じでした。当時は凄い勢いだと感動したほどですが、今度は最終結果発表どころか中間発表すら終わっていないというのに、早くも次弾の告知です。前回以上の『凄い勢い』です!


 次から次へと新しいコンテストが開催されるのはサイトに活気がある証であり、ユーザーにとっても喜ばしい話ですよね。

 特に中編コンテストとなると、単純に文字数だけ考えれば長編よりも書きやすそう。例えば今回の「嫁入りからのセカンドライフ」も前回の「賢いヒロイン」同様『20000字以上60000字以下』となっていますが、一般的な長編コンテストで10万文字前後を書くのと比べて2万文字以上ならば簡単そうですよね?

 例えば2万文字ギリギリならば1日1,000文字の執筆ペースでも20日で書ける文字数ですし、あるいは「頑張れば1日1万文字くらい書ける」という方々ならばわずか2日で済みます。

 文字数という意味では短編コンテストの方がさらに楽なはずですが、短編コンテストの場合、たとえ受賞作が商業化されるとしてもおそらく書籍収録まで。作品単独での書籍化ではないため、いわゆる書籍化作家にはなれません。まあそのあたりは言葉の定義に過ぎない……という考え方もあるかもしれませんが、カクヨムコンでプロ作家枠が出来たので、今まで以上に「書籍化作家か否か」は重要になってくるはず。「カクヨムプロ作家部門」のところには『単著作家が対象。アンソロジー収録作家は対象外』と明記されていましたからね。

 そうなると、受賞作品を長編化して書籍化も検討してくれるような中編コンテストは、2万文字ちょっと書いただけで書籍化作家になれるかもしれないと考えれば、ある意味いいとこどりのコンテストなわけですが……。


 私自身「真剣にプロ作家を目指す」というほどではないものの、一応「できればプロ作家になれたらいいなあ」という程度の気持ちはあります。だから中編コンテストには積極的に応募してみたいものですが、さすがに今回はパスでしょうね。

 まず「嫁入りからのセカンドライフ」というテーマが、私にとっては難しそう。「セカンドライフ」というからには「ファーストライフ」あってこそでしょうし、そうなると「ファーストライフ」と「セカンドライフ」のギャップが重要っぽい。しかも「嫁入りからの」なので「結婚を機に大きく変わった」という『ギャップ』になってくるはず。

 例えばファンタジー的な設定で「初夜の契りをきっかけにして前世の記憶を思い出す」みたいな物語にしたら「結婚を機に大きく変わった」に出来そう……と考えてみたのですが、たぶん求められているのはそういう物語ではないでしょうね。

 あるいは、殺し屋として生まれ育った女の子がひょんなことから貴族の男性に見そめられて裏の世界から足を洗う、みたいな「結婚を機に大きく変わった」も想像してみたのですが、これも上手くいかない。この設定で物語を進めようと思ったら、私の頭に浮かぶのは「実はその貴族男性は政府の諜報機関の人間だったので、彼を手助けする意味で殺し屋時代のスキルを駆使して、今度は逆の立場から奮闘することに」みたいな話。やっぱり求められている方向性とは違いますよね。

『主人公・視点キャラクターが女性の作品』だけならばクリアーできても『カドカワBOOKS読者ターゲットの30代~40代女性が楽しめる作品』という条件が私にとっては難しい! 私の発想では、女性向けでなくむしろ男性向けの女性主人公になってしまう!

 そもそも「結婚を機に大きく変わった」の女性心理を描く自信が皆無だからこそ、派手な設定で誤魔化す方向性しか思いつかないのですよね。そんな内容ならば今回のコンテストとは別に、完全に趣味作品と割り切って、適当なタイミングで自分のペースで書いた方が良さそうです。


 ……というわけで、今回のコンテストそのものに関してはあまり深く考えてはいないのですが、それよりも。

 先ほどの『次から次へと新しいコンテストが開催される』というのが今回の主題です。

 これだけ色々なコンテストが開催されると、なんだかカクヨムで開催されるコンテストがどんどん増えているような気になるのですが、はたして実際はどうなのでしょうか?

 例えば今から1年と少し前。「最近カクヨムではコンテスト開催が増えている気がします」「以前は長編コンテストばかりだったのに短編コンテストがポツポツ出てきたような」と感じて、毎年のコンテストの数をかぞえてみたことがあります。


 カクヨムで開催されるコンテストは本当に増えているのか

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889095417/episodes/16816927862760569969


 小説投稿ページにあるコンテストの応募欄から選択する形式のコンテストのみをカウントしています。公式自主企画扱いのコンテストは「公式自主企画」なので含まず、またキーワード欄に記入して応募するような「カクヨムからも応募できる外部のコンテスト」も、あくまでも外部のコンテストとしてカウントに含めませんでした。

 そのような方式で数えたところ、


 2019年度(2019年4月から2020年3月まで)

 11コンテスト

(短編コンテスト5、中編コンテスト1、長編コンテスト5)


 2020年度(2020年4月から2021年3月まで)

 12コンテスト

(短編コンテスト6、中編コンテスト2、長編コンテスト4)


 2021年度(2021年4月から2022年3月まで)

 12コンテスト

(短編コンテスト6、中編コンテスト1、長編コンテスト3)


 というように、私がカクヨムを使い始めて以降で見る限り、毎年のコンテスト数そのものはほぼ同じという結果になりました。

 なお年度を跨ぐコンテストもあるので、開始時期ではなく受付終了時期で「年度」を決めています。また、例えば「5万文字以上」のように中編でも長編でも応募できる場合は中編コンテスト、「1万5千文字以上」のように短編でもそれ以外でも応募できる場合は短編コンテストとして分類しています。


 この時点から既に1年以上経過しているので、それ以降のコンテストについて改めて調べてみましょう。

 上記と同じように、2022年4月以降に終了となるコンテストを列挙してみると……。


 2022年度(2022年4月から2023年3月まで)


「『5分で読書』短編小説コンテスト2022」

 2022年5月6日から2022年6月27日まで

 3,000文字以上6,000文字以下(短編コンテスト)


「『夫にナイショ』シリーズ漫画原作コンテスト」

 2022年4月15日から2022年6月30日まで

 6,000文字以上30,000文字以下(短編コンテスト)


「第4回ドラゴンノベルス小説コンテスト」

 2022年5月16日から2022年7月15日まで

 10万文字以上(長編コンテスト)


「『G’sこえけん』音声化短編コンテスト」

 2022年6月17日から2022年8月31日まで

 10,000字以上20,000字以下(短編コンテスト)


「カクヨム甲子園2022」【ロングストーリー部門】

 2022年7月15日から2022年9月11日まで

 6,000文字以上20,000文字以下(短編コンテスト)


「カクヨム甲子園2022」【ショートストーリー部門】

 2022年7月15日から2022年9月11日まで

 400文字以上4,000文字以下(短編コンテスト)


「ツクール×カクヨム ゲーム原案小説オーディション2022」

 2022年8月10日から2022年10月2日まで

 1万文字以下(短編コンテスト)


「『楽しくお仕事 in 異世界』中編コンテスト」

 2022年9月1日から2022年10月16日まで

 20000字以上60000字以下(中編コンテスト)


「最強に尊い! 『推しメン』原案小説コンテスト」

 2022年9月26日から2022年11月14日まで

 1万字以上3万字以下(短編コンテスト)


「第3回角川武蔵野文学賞」

 2022年9月20日から2022年11月27日まで

 800字以上4000字以下(短編コンテスト)


「第8回カクヨムWeb小説コンテスト」

 2022年12月1日から2023年1月31日まで

 10万文字以上(長編コンテスト)


「カクヨムWeb小説短編賞2022」

 2022年12月1日から2023年1月31日まで

 1万文字以内(短編コンテスト)


 2023年度(2023年4月から)


「『賢いヒロイン』中編コンテスト」

 2023年3月10日から2023年4月20日まで

 20000字以上60000字以下(中編コンテスト)


「カドカワ読書タイム短編児童小説コンテスト」

 2023年4月26日から2023年6月4日まで

 5000字以上12000字以下(短編コンテスト)


「角川ホラー文庫 デスゲーム小説コンテスト」

 2023年4月17日から2023年6月14日まで

 8万字以上14万字以下(長編コンテスト)


「第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト」

 2023年5月1日から2023年6月30日まで

 10万文字以上(長編コンテスト)


「第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト」

 2023年6月1日から2023年7月10日まで

 (小説以外のコンテスト)


「第2回『G’sこえけん』音声化短編コンテスト」

 2023年6月23日から2023年8月31日まで

 10,000字以上20,000字以下(短編コンテスト)


「東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞」

 2023年7月1日から2023年8月31日まで

 8万字以上16万字以下(長編コンテスト)


「カクヨム甲子園2023」

 2023年7月14日から2023年9月10日まで

 6,000文字以上20,000文字以下および400字以上4000字以下(短編コンテスト)


「『嫁入りからのセカンドライフ』中編コンテスト」

 2023年8月1日から2023年9月20日まで

 20000字以上60000字以下(中編コンテスト)



 なお「カクヨム甲子園」については、2022年まではカクヨムコンの長編と短編みたいに【ロングストーリー部門】と【ショートストーリー部門】とでそれぞれ別々に応募要項ページが用意されていましたが、2023年は両部門まとめてひとつの応募要項になっていました。だから2022年はそれぞれ異なる2つのコンテスト、2023年は1つのコンテストの中に2つ部門があるとしてカウントしています。


 以上のように、以前と同じ方式で数えてみると、2022年度(2022年4月から2023年3月まで)は12コンテスト(短編コンテスト9、中編コンテスト1、長編コンテスト2)。2023年度はまだ途中ですが9コンテスト(短編コンテスト3、中編コンテスト2、長編コンテスト3、小説以外のコンテスト1)となりました。

 2023年度は「まだ途中」なので最終的にいくつくらいになるかわかりませんし、とりあえず2022年度だけ以前のデータと比較して「12コンテスト」というのは、2020年度や2021年度と全く同じ。結局コンテストが増えているのは気のせいであって、ただ頻繁にコンテストがあるから「増えている」と感じてしまうだけでした。

 とはいえ、毎年12コンテストということは、平均したら毎月1つコンテストが開催されるというペース。もしも全部応募できたら毎月結果発表を楽しめるわけで、これほどたくさんコンテストを開催していただけるのは、エンジョイ勢にとってもガチ勢にとっても本当にありがたい話ですね!

   

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